ー日常ー街の住人達【10】

ーCHM本部:牧師室ー

ワレンスキー「おのれ……このっ!!」

怒髪天に来たらしくワレンスキーはお熊の顔をめがけて足を振り上げた。お熊は頭を振って擦れ擦れで蹴りを躱しつつ、一歩踏み込み剛拳ほワレンスキーに叩きこんだ。

しかし、それを紙一重で避け、反撃とばかりに両こぶしでジャブをラッシュする。細かく、素早く、正確にマシンガンのようなジャブの連打に次ぐ連打。

お熊「くっ!」

最初こそ捌き切っていたお熊だったが両腕を身体の前に構えてガードに徹し始めた。

ワレンスキー「ッ……。」

お熊「チャンス!」

ようやく薬が効いてきたらしくワレンスキーは攻撃の手が止まり一瞬よろけた。その隙をついてお熊の丸太のような足でハイキックをくりだした。

ガードしようとしたがワンテンポ遅くワレンスキーは直撃を受けて壁際まで吹き飛んだ。

CIA員A「おおさすが!」

CIA員B「お熊でかした!」

お熊「ほんとに強いわ。薬で反射神経が鈍ってなかったら、あたしでもあぶなかった。」

CIA員A「お熊より強いやつがいるのか……」

CIA員B「世間は広いな」

ワレンスキー「お、お熊だと?さてはCIAかなにを打った…」

お熊の言う通り相当強い男らしく薬+お熊のハイキックを受けてもまだ意識が残っている。

お熊「ワレンスキー牧師……いいえ、ライバー=カチンスキー。」

カチンスキー「!!」

お熊「あなたもKGB時代よく使ったはずの薬よ。自白剤、それも例の一番強力なやつ。」

カチンスキー「俺を殺す気か!うっ…。」

薬が本格的に回ったらしく遂に意識を手放して倒れ伏せた。そのとき、外から声が聞こえてくる。

「警察だと!?なぜ牧師様をひとりきりに!」

「しかし牧師様が!」

お熊「猶予はならないわ!さあ、これでカチンスキーとおマリちゃんをくるんで!」

お熊は近くのカーテンを引きちぎって二人をくるみだした。

CIA員「お熊、どうするんだ!」

お熊「強行突破よ!」

「牧師様!牧師様!」

ドアがノックされ始めた、突入されるのは時間の問題だろう。お熊たちはマリアはカチンスキーを担ぐとドアを蹴り飛ばしてダッシュで駆けだした。

お熊「どいてちょうだーい!警察よー!邪魔をすると逮捕しちゃうわよーー!」

そこらにいる誰もかれも関係なく弾き飛ばしながら強行突破で何とかその場から逃げきったのだった。
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