ー日常ー街の住人達【10】

ーCHM本部:牧師室ー

前回、変装をして教団本部へと潜入を試みたおマリだったが、ワレンスキー牧師のストライクゾーンだったため、そのまま誘い込まれて催眠術までかけられ動けなくなってしまった。

「牧師様」

マリアに手を伸ばした、そのときドアがノックされた。

ワレンスキー「なんです。大事なお話中です。すむまで誰も来てはいけません。」

「それが……警察が参っておりまして…」

ワレンスキー「警察!?」

「えー…牧師様に暴行を受けた女性から被害届が出ているというとんでもないことを言っておりますので……。」

それを聞いて牧師は考えた。

お楽しみの後にかけた催眠術が解けてしまった女がいるのか?しかし物証があるはずがないから……。

ワレンスキー「バカバカしい追い返しなさい。」

「かしこまりました。えっ?わっなんですあなた方!ダメです!ダメですったら!」

教団員の叫び声が聞こえた後、扉が大きくあけ放たれてお熊と数人の男が飛び込んできた。

教団員「すみません!警察のひと達がいきなり!」

ワレンスキー「かまいませんさがりなさい。」

教団員「えっでも……!」

ワレンスキー「さがりなさい!」

教団員「はいっ!」

あまりの迫力にその場から離れてすぐにドアを閉めた。ワレンスキー牧師はお熊を睨む。

ワレンスキー「令状も持たずに飛び込んできたところを見ると本物の警官ではないな」

お熊「あなたが本物の牧師でないのと同じよ。」

そういって身構えたお熊だったがワレンスキーは手を叩いた。パンッという乾いた音と同時にお熊も他の男たちも糸が切れた人形のように倒れ落ちた。

ワレンスキー「瞬間催眠だ。妙なことを知っている連中らしい。あとでゆっくり料理してやる。」

お熊たちを無視して、ワレンスキーはマリアの元へと近づいた。

マリア「……」

ワレンスキー「お楽しみの後にな。クックッ。」

こんな状況でもそっちを優先する根性は流石である。しかし、次の瞬間首筋にちくりと痛みが走った。

振り返って身構えると倒れていたはずのお熊が注射器のようなものをもってたっていた。

お熊「女好きが命取り」

ワレンスキー「バカな!なぜ催眠が効かん!」

お熊「予備知識を持たず完全に油断している相手にこそ瞬間催眠は有効。あたしたちは彼女の胸につけた超小型マイクを通じてあなたが催眠術を使うことを知っていたから、心の準備ができていたのよ。」
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