ー日常ー街の住人達【9】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

騒ぎ声に駆け付けてみるとムーンたちがうなされたりのたうったりしている。

ミハイル「みんなまた夢を見ているのか!MC!これが宇宙人の仕業ならどこかから様子をうかがってるはずだ!調べろ!」

MC【何者カ次元ノハザマカラノゾイテイマス。】

ミハイル「炙りだせ!」

電撃が弾けるような音ともに空間の一部が靄でも払ったように別の空間らしき穴が広がった。その中にハッキリとは見えないが人の身体に鳥類のような頭部を持つ宇宙人の影が見えた。

鳥頭星人A『むうっ?』

鳥頭星人B『位相をずらしている我らを引きずりだすとは』

ミハイル「何者だ!」

鳥頭星人A『さまざまな生物の思考波をコレクションするために宇宙を旅しているコレクター。』

鳥頭星人B『われわれの思考波コントロールに対するこの星の住人の反応は面白い。』

「うわーー!」
「ぎゃーー!」
「ぐぐぅっ!」

ミハイル「もうやめろ!」

鳥頭星人A『コレクションの邪魔をするな』

ミハイル「やるなら僕だけにしろ!僕は国王だから、部下を守る責任がある!僕がすべて引き受けるから部下を苦しめるのはやめろっ!」

鳥頭星人B『こざかしい』

思考波が殿下に刺し向けられた。目には見えないが眠気と不快なオーラに蝕まれていく。

ミハイル「うわっ……ぐぐぐぐっ……!」

しかし、人間離れした気合で思考波を弾き返した。

鳥頭星人B『むっ!?』

鳥頭星人A『コントロールを跳ね返した!』

鳥頭星人B『国王としての責任感と部下を思う気持ちがコントロールを上回ったのか…』

鳥頭星人A『なんとゆー思考波だ!これ以上はない崇高な思考波だ。すばらしいコレクションができた。』

鳥頭星人B『ああ実に。国王よ、礼を言うぞ礼の気持ちとしてわれわれの宝をプレゼントしよう。』

異星人たちは満足したらしく、完全に気配が消えて別空間も閉じてしまった。

そして宝らしい塊がごとりと落ちてきた。

モーソー号「あっ、急に楽になった。」

ミハイル「助かった…。いや、それどころじゃない!宝といってたぞ、それはなんだ?」

チコ「……えーと、ん?コンクリートの塊ですね。」

ミハイル「そんなバカな!貸してみろ!」

振ったり軽くたたいたりしてみるが中に何か詰まっていたり特別な仕掛けもない完全にコンクリートの塊だった。

チコ「どういうことでしょうか?」

ミハイル「恐らく宇宙人の世界ではこれが実際に宝なんだろう……だろうけど、宇宙人には宝でも地球ではいみがないんだー!」


今日もエメラダは変な事件が起こっていました。
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