ー日常ー街の住人達【9】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

昼間の騒ぎなんてとっくに忘れ就寝時間になった殿下はパジャマに袖を通していた。

今日の夕食も美味かった。とくにフォアグラのテリーヌもどきのこんにゃくゼリーがよかった。どんなものだかわからんと思うが……っと、ひとりごちっていると袖を通した右腕、正確に言うと右手首の辺りがムズムズし始めた。なんだと思って視線を向けると、ポロッと落ちたのだ。右手が……。

さすがの殿下もフリーズする。

すると今度は左手もが落ちて、最後は自分の首が椿の花のように落ちたのだ。

ミハイル「うわあぁぁぁっ!」

叫びながら殿下は飛び起きた、自分の手や首を確認しつつ……夢だったのかと、ホッとした。

~~

その日、職務室に顔を出すとほぼほぼ全員がぐったりと机に突っ伏している。

「「「……」」」

ミハイル「みんなどうした!」

チコ「ゆうべおかしな夢を見て……」

ミハイル「お前たちもか!」

チコ「えっ、それじゃ殿下も?」

ミハイル「何かおかしい!」

チコ「あっ、殿下!」

走って自室に戻ると殿下はMCを起動した。

「MC!マザーコンピューター!何かが起きている!」

MC【ソノヨウデスネ。原因ノ特定ハデキマセンガ、イクツカ気ニナルコトハアリマス。】

ミハイル「なんだ!」

MC【マズ先日えめらだ上空二UFOガ出現シマシタスグ消エテシマッタノデ追尾デキマセンデシタガ、サラニソノ後数日前カラ宮殿内ニ得体ノ知レナイ滋波ノヨウナモノガ充満シテイマス。】

ミハイル「なんだって~~?ということは……1+1は2だ!」

チコ「どういう意味ですか?」

ミハイル「UFOつまり宇宙人が現れてすぐ宮殿におかしなものが肉まんした!」

チコ「肉まん?」

ミハイル「いやアンマンした」

チコ「……」

ミハイル「チリマン、ピザマン、キムチマン」

MC【充満】

ミハイル「そのマンだ!わけのわからないものがジュウマンしたために僕たちは気味の悪い夢を見るようになった!そうじゃないか!」

MC【シカリ】

ミハイル「つまり宇宙人のしわざだ!」

MC【オソラク】

ミハイル「目的は!」

MC【でーた不足】

ミハイル「宇宙人が人間をおどかすためだけに地球にやってくるはずかない絶対なにか目的があるはずだ!」

「「「わーーー!」」」

すると、何人もの叫び声が部屋の外から聞こえてきた。
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