ー日常ー街の住人達【9】

ーアラファト家政婦派遣協会:別室ー

お熊「初日の今日の目標はひとめでもいいから牧師に会うこと」

マリア「目立った方がイイですね。お熊さん、いつも出かけるときにしているサングラスを貸してください。」

お熊「よくってよ。」

マリア「では、行ってきます。」

教団本部があるという中野までやってきてみると、ものすごい人だかりに出くわした。

これがみんな入信希望者なのか。ババ……古い娘さんばかりでひかわきよしのコンサートみたいだ。

教団員「こちらにお並びくださーい、こちらにお並びくださーい」

列の扇動をしている神父服の男がいたので聞いてみることにした。

マリア「教団の最後尾はこちらですか?」

教団員「そうです。ん?はい?」

団員は耳につけているインカムに何か連絡が入ったのかマリアに背を向けて会話を始めた。

マリア「?」

教団員「はい、はい。……入団希望の方ですか?」

マリア「ええ」

教団員「お名前は?」

マリア「美空……(CHMの関係者がいるとまずいか)美空かもめです。」

教団員「美空さん、どうぞこちらへ」

マリア「えっ、あのーなにか」

教団員「壁面カメラでご覧になったワレンスキー牧師があなたには特別なオーラがあるからお話したいとおっしゃっているのです。」

こんなに早く会えるとはラッキーと思いつつ、まさかオーラで自分が潜入しに来たんだとバレてるんじゃないかと不安も混じりつつ中へと続いた。

教団員「失礼します。お連れしました。」

ワレンスキー牧師「ご苦労様でした。」

牧師がそういうとマリアを残して教団員はすぐに部屋から出ていってしまった。

教団員「失礼いたします。」

ワレンスキー牧師「どうぞ、そちらのソファーへ」

マリア「はい」

するとパンッとワレンスキーが手を叩いた。

マリア「えっ……」

その音を聞いたとたんマリアは身体が動かなくなってソファーに倒れ込んだ。

ワレンスキー牧師「いかがです私の瞬間催眠は」

マリア「(催眠術!?資料に催眠術が使えるだなんて書いてなかったのに!!)」

うつぶせに倒れたマリアをひっくり返すとサングラスとった。

ワレンスキー牧師「予想通り美しい。さっそくその身体を楽しませてもらいましょうか、なあに終わったら忘れさせてあげますから大丈夫ですよ。」

マリア「(なっ!こんなやり方で女性を食い物にしてたのか!こいつは思ってた以上の外道だ!)」

卑劣なワレンスキーに捕えられたしまったおマリの運命はいかに……
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