ｰ常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ｰ

ムーン1「というわけだ。ゾロ号、買い物にいってきてくれ。」

カイケツゾロ号「わかった。」

チコ「私は野菜ジュースをお願いします」

ムーン2「僕はおにぎり」

ムーン3「僕はパンツ」

ムーン1「パンツ?」

ムーン2「パンが2つでパンツ」

ムーン1「よせやい」

そのあとも何人かの買い物を受けてカイケツゾロ号は出ていった。

カイケツゾロ号「……」

チコ「あ、ゾロ号さん帰ってきましたよ。」

カイケツゾロ号「……」

ムーン1「顔色が悪いな、どうしたんだ?」

カイケツゾロ号「……」

青い顔でゾロ号はレシートを差し出してきた。

ムーン1「えっ?」

レシートに記されている金額は11111円。

チコ「一万、千百、十一、円…」

「「「またゾロ目だっ!!」」」

ミハイル「なんだと!!」

ムーン1「みんな勝手にバラバラなものを頼んだんです!ゾロ目になんかなるはずがないんです!」

ミハイル「どういうことだ!」

ムーン1「わかりません!」

ミハイル「もしかしたたらゾロ号は、いやゾロ目号と呼ぼうか本当になにかもってるのかもしれんな、ゾロ目を引き寄せる何かを……試してみるか」

チコ「どうやって?」

ミハイル「通販で羽毛布団を買おうかと思ってたんだが」

チコ「唐突ですね。」

ミハイル「安くなってるとは言っても羽毛布団だから二万八千円もするのでどうするか迷ってたんだ。ゾロ目号注文してみろ。」

ゾロ目号「するとどうなります?」

ミハイル「やってみればわかる。」

ゾロ目号「はあ」

次の日……

チコ「殿下ー!通販会社から代引きで荷物が届きました。」

ミハイル「いくらだった!」

チコ「二万二千二百二十二円です!」

ミハイル「やっぱりゾロ目か!どうしてそうなるんだ!」

チコ「特別キャンペーン中とかで二万八千円から値引きになったようです。」

ミハイル「うーむ、そうきたか。ゾロ目号、お前が注文したからこうなったんだ。」

ゾロ目号「……」

ミハイル「これはただことじゃない。おまえ、本当にゾロ目を引き寄せる何かを持ってるらしいな。もう一度やってみよう。」

ゾロ目号「はあ…」

ミハイル「ダイヤの研磨機を新しくしたいと思ってた。五百九十万円だ。ゾロ目号、注文しろ。」

ゾロ目号「わかり……ました。」

ゾロ目号はプレッシャーを感じつつダイヤの研磨機を注文した。