ー日常ー街の住人達

ー居酒屋:三日月ー

悠「あーうー……」

拳二「ど……」

恵瑠「どうしたんですかぁ。セーンーパーイ~♪」

悠「うーあー……」

恵瑠「え?恵瑠と会えてうれしい?やだもぉ。本当のことばっかりぃ~」

拳二「……」

悠「お前……痛いぞ?」

恵瑠「ちょ!痛いってなんですか!痛いって!」

悠「色々と痛かった。あ、キリンさん。枝豆ください♪」

凛「はーい」

恵瑠「ぶーぶー」

悠「なんだ、鼻づまりか?」

恵瑠「私じゃなかったらけっ飛ばされてますよ?」

悠「そっちのが慣れてる」

拳二「……お前は分かっててやってんのか何なのかほとほと分かんねぇな」

悠「あー?」

拳二「いや……しかし、夏も終わりだな」

悠「終わらねぇし!」

拳二「いや、今日30日だぞ?」

悠「31の次は1に戻るだろ」

拳二「9月1日にな」

悠「8月1日だよ」

拳二「病院行け」

悠「病院がこいや!」

恵瑠「センパイ色々と落ち付いてください」

悠「おおお、おちおちおちおちちついてるるるし」

恵瑠「これでもかって言うくらい動揺してます……」

凛「夏もいいけど秋もいいわよね。実りの多い季節で」

悠「おれは……夏がいいっす」

拳二「俺ぁどの季節でも良いけどな」

悠「そりゃお前は頭の作りが単純だから季節の変化に鈍感だもんな」

拳二「かっかっか、冬になったらまともに動けねぇ奴よりマシだ。」

悠「冬は冬眠する季節になんだよ」

恵瑠「じゃあ、いっしょに暖かいところでディナーとかどうです?ねっ、ねっ?」

悠「……そういえば」

恵瑠「はい、無視しない!泣きますよ?いいんですか?可愛い私が泣いちゃいますよ!」

悠「嘘泣きだろ」

恵瑠「涙はちゃんと出せます!出して見せます!」

拳二「女優は怖ぇな」

恵瑠「女優じゃなくてアイドルなんですけどね☆」

拳二「アイドルといやぁ、なんたら48とかいってんのに何で48以上の奴が居るんだ?」

悠「それはアレだ。なんたら48っていうのがひとつの組みの大看板で、その中から組長、若頭、幹部、下っ端とあるんだよ」

拳二「なんだ、俺ぁ(ヤクザ)と組織形態は同じか」

恵瑠「違います。それは違いますから!」

悠「そうかな……あながち間違ってない気がするんだけどな」

拳二「俺ぁにはどっちにしろよーわからん世界だ」

悠「……キャバクラの女が48人いて、その後がま候補が居るってことだよ」

拳二「おぉ!わっかりやすいな!」

恵瑠「やーめーてーくーだーさーいー!」

悠「でも、お前は48じゃないだろ?」

恵瑠「私はソロですから。今時ユニットじゃなくてソロでアイドルって言うのが素敵だと思いません?」

悠「出し巻き卵頼もうかにな」

拳二「俺ぁ、刺身が食いたいな」

恵瑠「本気で泣きますよ?!」
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