ー日常ー街の住人達【9】
ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー
ミハイル「よし、できた。」
チコ「なんですかこれ?」
ボタンが二つ着いている小さなリモコンのようなものを見せてきた。
ミハイル「脳波コントローラーだ。」
チコ「はあっ?」
ミハイル「おおげさにいえばシンディーちゃんは悪魔みたいなものだ。」
チコ「それは流石にいい過ぎって気もしますけど……。」
ミハイル「脳波をコントロールすることによってそれを天使に変えようというのだ。」
チコ「そんなことができるんですか?」
ミハイル「まあ、みていろ。」
そこへちょうどシンディーが通りかかった。殿下は背後から脳波コントローラーを投げた。後頭部辺りに張り付くとビビビッと機械音がなる。
シンディー「……」
一瞬、立ち止まったが何事もないように彼女は歩いていった。
ミハイル「これでいいはずだ。」
チコ「はぁ…」
昼食時、調理場にシンディーが現れた。
シンディー「あのー」
調理係「え?あっ、レディーなにか?」
シンディー「殿下に昼食を差し上げたいのですがよろしいですか?」
調理係「えっ、ああ、はいどうぞ……?」
~~
調理係「で、レディーが作ったのがこれです。」
テーブルに置かれた皿の上には野菜やら肉やら何やをまとめて炒めたようなものが盛られている。
ミハイル「まずそうだな」
調理係「ところが、ちょっと味見したらなかなかおいしいんですよ。」
ミハイル「あむ、おおうまい!」
調理係「料理をしたことがあるとは思えませんからテクニックではありません。天使になって殿下への愛にあふれたから、それがよいスパイスになっているのでしょう。」
それからも毎食のように、レディーの料理を食べ続けたミハイルはすっかり胃袋をつかまれてしまいました。
ミハイル「イイ子だなぁ。あんな子ならお付き合いしてもいいな。」
チコ「殿下、なにを言ってるんです。彼女は殿下がコントロールしているんですよ。コントロールをやめたら悪魔に戻っちゃいますよ。」
ミハイル「……うわーっ!そうだった!」
チコ「本気で忘れてるし…。」
ミハイル「そうだ!天使でも悪魔でもなくふつーの女の子にすればいいんだ!」
チコ「どういう理屈だろう…。」
ミハイルはシンディーの背後に忍び寄ると脳波コントローラーのスイッチを操作した。
シンディー「ハッ!?」
ミハイル「シンディーちゃん、普通の女の子になった気分はどうだい?」
シンディー「……あなた誰?」
ミハイル「えっ!?」
シンディー「ここはどこ!?おうちに帰らなくちゃ!」
ムーン1「おや、レディーお帰りですか?それではお送りしますよ。」
シンディー「そうしてちょうだい!」
ミハイル「……マザーコンピューター、シンディーちゃんのあの反応はどういうことだ!」
MC【悪魔ニシテモ天使ニシテモドチラノ時モ言ウナレバ極端ナ女ノ子デシタ、ダカラコソ生マレツキ極端ナ存在デアル殿下ニ共感して好意ヲモッタノデショウガ、ソレヲフツウノ女ノ子ニシテシマッタワケデス】
ミハイル「つまり!?」
MC【ツマリフツウノ女ノ子ハ極端ナ殿下ニ興味ナドモタナイトイウコトデショウ】
引っ張りまわされ引っ掻き回されものすごーく無駄骨を折ったミハイルはぐったりして寝込んでしまいました。
ミハイル「よし、できた。」
チコ「なんですかこれ?」
ボタンが二つ着いている小さなリモコンのようなものを見せてきた。
ミハイル「脳波コントローラーだ。」
チコ「はあっ?」
ミハイル「おおげさにいえばシンディーちゃんは悪魔みたいなものだ。」
チコ「それは流石にいい過ぎって気もしますけど……。」
ミハイル「脳波をコントロールすることによってそれを天使に変えようというのだ。」
チコ「そんなことができるんですか?」
ミハイル「まあ、みていろ。」
そこへちょうどシンディーが通りかかった。殿下は背後から脳波コントローラーを投げた。後頭部辺りに張り付くとビビビッと機械音がなる。
シンディー「……」
一瞬、立ち止まったが何事もないように彼女は歩いていった。
ミハイル「これでいいはずだ。」
チコ「はぁ…」
昼食時、調理場にシンディーが現れた。
シンディー「あのー」
調理係「え?あっ、レディーなにか?」
シンディー「殿下に昼食を差し上げたいのですがよろしいですか?」
調理係「えっ、ああ、はいどうぞ……?」
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調理係「で、レディーが作ったのがこれです。」
テーブルに置かれた皿の上には野菜やら肉やら何やをまとめて炒めたようなものが盛られている。
ミハイル「まずそうだな」
調理係「ところが、ちょっと味見したらなかなかおいしいんですよ。」
ミハイル「あむ、おおうまい!」
調理係「料理をしたことがあるとは思えませんからテクニックではありません。天使になって殿下への愛にあふれたから、それがよいスパイスになっているのでしょう。」
それからも毎食のように、レディーの料理を食べ続けたミハイルはすっかり胃袋をつかまれてしまいました。
ミハイル「イイ子だなぁ。あんな子ならお付き合いしてもいいな。」
チコ「殿下、なにを言ってるんです。彼女は殿下がコントロールしているんですよ。コントロールをやめたら悪魔に戻っちゃいますよ。」
ミハイル「……うわーっ!そうだった!」
チコ「本気で忘れてるし…。」
ミハイル「そうだ!天使でも悪魔でもなくふつーの女の子にすればいいんだ!」
チコ「どういう理屈だろう…。」
ミハイルはシンディーの背後に忍び寄ると脳波コントローラーのスイッチを操作した。
シンディー「ハッ!?」
ミハイル「シンディーちゃん、普通の女の子になった気分はどうだい?」
シンディー「……あなた誰?」
ミハイル「えっ!?」
シンディー「ここはどこ!?おうちに帰らなくちゃ!」
ムーン1「おや、レディーお帰りですか?それではお送りしますよ。」
シンディー「そうしてちょうだい!」
ミハイル「……マザーコンピューター、シンディーちゃんのあの反応はどういうことだ!」
MC【悪魔ニシテモ天使ニシテモドチラノ時モ言ウナレバ極端ナ女ノ子デシタ、ダカラコソ生マレツキ極端ナ存在デアル殿下ニ共感して好意ヲモッタノデショウガ、ソレヲフツウノ女ノ子ニシテシマッタワケデス】
ミハイル「つまり!?」
MC【ツマリフツウノ女ノ子ハ極端ナ殿下ニ興味ナドモタナイトイウコトデショウ】
引っ張りまわされ引っ掻き回されものすごーく無駄骨を折ったミハイルはぐったりして寝込んでしまいました。