ー日常ー街の住人達【9】
ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー
調理係「なにい!?わかりました届けます?!あたりまえだ!急ぐんだぞ!グズグズしとったらしょーちせんぞ!」
ミハイル「おい、あいつはいつもああなのか?」
チコ「いえ、普段はかなり大人しい人ですよ。」
ミハイル「場面によって人が変わるタイプかあんまりつきあいたくないな。」
受話器を叩きつけるように電話を切ると調理係が戻ってきた。
調理係「殿下、お喜びください。たいへん気持ち良く引き受けていただきました。」
ミハイル「とてもそうには聞こえなかったがな。まあいい、これでフルコースの件はなんとかなった。」
しかし、ホッとしたのもつかの間だった。
調理係「レディーにフルコースをさしげましたが……半分お残しになりました。」
ミハイル「半分も!?なぜだ!」
調理係「まずいそうです」
ミハイル「はあああっ?!」
ムーン1「せっかく出前をとったのに」
ムーン2「わがままもきわまりだな。」
チコ「殿下、気は進まないでしょうがさすがにここはガツンとおっしゃらないと。」
ミハイル「う……うん……。」
「「「よろしくお願いします。」」」
よほど苦手なのか足取り重く殿下はシンディーのいる客室の前までやってきた。ドアをノックして中へ入る。
ミハイル「シンディーちゃん、食事を残したそうだね。できるだけでいいので、あのー食べ物は、そのー大切にしたほうが……」
シンディー「殿下、エメラダはとてもいいところです。でも、あたしが住んでいたパリに比べたらまるでド田舎。ド田舎のフレンチなんてこんなものなのねーと思いながら、それでも半分も食べて差し上げたのよ。お礼を言われてもいいくらいだわ。」
ミハイル「えーと、えーと……」
シンディー「それより殿下、部屋の模様替えをしたいんだけど!」
ミハイル「えっ?」
シンディー「壁紙を変えて家具と照明も新しくして!」
ミハイル「いやっ…!そのっ…!」
それからもあーで、こーで、どーで、そーでと次々と要望(わがまま)が飛び交った。
ムーン1「レディーのわがままはキリがないな。」
チコ「殿下、大丈夫ですか」
ミハイル「なんとかしないと、このままでは身も心も持たん……。」
そういうと殿下は自室にこもって何かを始めた。食事の時間になっても顔を出さないほどだ。
ムーン1「殿下は?」
チコ「なにか作ってるみたいです。」
ムーン1「えっ?」
調理係「なにい!?わかりました届けます?!あたりまえだ!急ぐんだぞ!グズグズしとったらしょーちせんぞ!」
ミハイル「おい、あいつはいつもああなのか?」
チコ「いえ、普段はかなり大人しい人ですよ。」
ミハイル「場面によって人が変わるタイプかあんまりつきあいたくないな。」
受話器を叩きつけるように電話を切ると調理係が戻ってきた。
調理係「殿下、お喜びください。たいへん気持ち良く引き受けていただきました。」
ミハイル「とてもそうには聞こえなかったがな。まあいい、これでフルコースの件はなんとかなった。」
しかし、ホッとしたのもつかの間だった。
調理係「レディーにフルコースをさしげましたが……半分お残しになりました。」
ミハイル「半分も!?なぜだ!」
調理係「まずいそうです」
ミハイル「はあああっ?!」
ムーン1「せっかく出前をとったのに」
ムーン2「わがままもきわまりだな。」
チコ「殿下、気は進まないでしょうがさすがにここはガツンとおっしゃらないと。」
ミハイル「う……うん……。」
「「「よろしくお願いします。」」」
よほど苦手なのか足取り重く殿下はシンディーのいる客室の前までやってきた。ドアをノックして中へ入る。
ミハイル「シンディーちゃん、食事を残したそうだね。できるだけでいいので、あのー食べ物は、そのー大切にしたほうが……」
シンディー「殿下、エメラダはとてもいいところです。でも、あたしが住んでいたパリに比べたらまるでド田舎。ド田舎のフレンチなんてこんなものなのねーと思いながら、それでも半分も食べて差し上げたのよ。お礼を言われてもいいくらいだわ。」
ミハイル「えーと、えーと……」
シンディー「それより殿下、部屋の模様替えをしたいんだけど!」
ミハイル「えっ?」
シンディー「壁紙を変えて家具と照明も新しくして!」
ミハイル「いやっ…!そのっ…!」
それからもあーで、こーで、どーで、そーでと次々と要望(わがまま)が飛び交った。
ムーン1「レディーのわがままはキリがないな。」
チコ「殿下、大丈夫ですか」
ミハイル「なんとかしないと、このままでは身も心も持たん……。」
そういうと殿下は自室にこもって何かを始めた。食事の時間になっても顔を出さないほどだ。
ムーン1「殿下は?」
チコ「なにか作ってるみたいです。」
ムーン1「えっ?」