ー日常ー街の住人達【9】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

ミハイル「えっ?えっ?」

流石の殿下も突然のことに目を白黒させている。

チコ「プロポーズでもしたんですか?」

ミハイル「しとらん!あいさつしただけだ!ろくに口もきいてない!」

シンディー「本物の宮殿だわ。今日からここがあたしのおうちになるのね、素敵。殿下、あたしの部屋はどこ?」

ミハイル「えっ、いや、その……」

シンディー「きっと立派な部屋なんでしょうね。」

ミハイル「えっ、いや、その……」

殿下がうろたえてる間にもどんどん話を進めていく。

シンディー「ちょっとあなたたち荷物を運んでちょうだい。」

ムーン1「はあ」

シンディー「なんですその返事は!主人に何か言われたらイエスレディーと答えるのが当然でしょう!」

ムーン2「しゅ、主人?」

ムーン3「えっ?」

シンディー「返事は!」

「「「い、イエスレディー」」」

シンディー「さっさと荷物を運びなさい!役に立たない召使たちね!」

ムーン1「召使あつかいされてる」

チコ「殿下、どうします?」

ミハイル「力ずくで追い返すわけにもいかない。しょうがないひとまず一番いい客室に通してやれ。」

ムーン1「レディーどうぞこちらへ。」

ムーン2「4.5歳だというのにすごい目力だな」

ムーン3「そうだな」

シンディーを案内して荷物を運んでいる間にミハイルは自室に駆け込んで電話をかけた。もちろん相手はローバーだ。

ミハイル「もしもし!エメラダ国王ミハイル8世だ!ローバーさんを頼む!もしもしローバーさん実は……!えっ!?そうですお孫さんのことです。」

『しばらくめんどうをみてやってくれないか。』

ミハイル「はっ?」

『あの子にはうちでも手を焼いていてね。本当にスマンがよろしく頼むよ。』

ミハイル「もしもし!ローバーさんもしもーし!押し付けられてしまった。家族が手を焼くような子をどうしろというんだ。とはいえ、ローバーさんは大切な取り引き相手だ。頼みをむげには断れない。2.3日か……2.3日あずかってから追い返せば一応頼みは聞いたという格好はつく、それまでの辛抱だ。」

それからしばらくの時間が立って外は夕焼けになっている。

チコ「殿下」

ミハイル「ああ、ちょうど良かった。静かだが彼女は部屋に閉じこもったままか。こんなに大人しくしてるのはちょっと意外だな。」

チコ「それが、ネットを見たところ殿下のお嫁さんになったとあらゆるチャンネルを通じて世界中に言いふらしてます。」

ミハイル「どっひゃ~!!」
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