ー日常ー街の住人達【9】
ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー
その日は執務室でミハイルが珍しく仕事をしていた。書類に目を通してサインをしていってると、手が止まった。
ミハイル「うん?おい、誰だ。この書類をつくったのは」
チコ「整理番号は?」
ミハイル「はん?生理」
チコ「ぶち殺しますよ。整理番号です!一番下に書いてあるでしょう。」
視線を手元の書類に戻して確認してみる。
ミハイル「それらしいものはないが」
チコ「一番下の小さな字ですよ」
ミハイル「小さな字?……モヘンジョロダは今日も雨だった。」
それを聞いて、ムーンのひとりが手を上げて立った。
ムーン「その整理番号なら僕です。」
ミハイル「これのどこが番号なんだ、これのどこが」
ムーン「ご用件は」
ミハイル「ここ、ゼロがひとつ抜けてるぞ」
ムーン「どこです」
ミハイル「ここだ。」
書類を机の上において不備がある部分をトントンッと指で叩いた。
ムーン「……そういわれるとそんな気もしますね」
ミハイル「お前はアホか!書類でゼロをひとつ間違えるのがどんなに大事かわからんのか!」
ムーン「なにをピリピリしてるんです。もしかしてあの日ですか?」
ミハイル「お前は!」
チコ「おほんっ!」
「「……」」
ミハイル「もういい、話し合っても無駄なような気がする。」
ムーン「おかしな殿下だ」
ミハイル「おかしいのはどっちだまったく……」
~~
しばらくして昼休憩の時間になり、昼食のため食堂に集まったが何故か運ばれてこない。
チコ「殿下、昼食ができてないそうです。」
ミハイル「どういうことだ?」
調理係「すみません。ウッカリしてました。」
ミハイル「はぁっ!?」
調理係「すぐつくりますから一時間ほど待ってください。」
「いいよいいよ」
「ウッカリミスは誰にでもあるさ」
「「ハッハッハッ」」
ミハイル「なななな!なんなんだお前ら!慰め合ってどうする!さっきの書類の件といいお前たちちょっと、いやだいぶたるんでいるぞ!」
ムーン「なにをカリカリしてるんです。」
ミハイル「誰がカリカリさせてるんだ!」
「誰だ?」
「さぁ」
ミハイル「コイツらは~!とにかくウッカリミスをなくせ!」
「「えー無理ですよ」」
ミハイル「諦めるな根性を出せ!」
「ついうっかりするからミスをするのであって根性でどうにかなるもんじゃありませんよ。」
「殿下だってウッカリすることはあるでしょう。」
ミハイル「ないっ!!」
その日は執務室でミハイルが珍しく仕事をしていた。書類に目を通してサインをしていってると、手が止まった。
ミハイル「うん?おい、誰だ。この書類をつくったのは」
チコ「整理番号は?」
ミハイル「はん?生理」
チコ「ぶち殺しますよ。整理番号です!一番下に書いてあるでしょう。」
視線を手元の書類に戻して確認してみる。
ミハイル「それらしいものはないが」
チコ「一番下の小さな字ですよ」
ミハイル「小さな字?……モヘンジョロダは今日も雨だった。」
それを聞いて、ムーンのひとりが手を上げて立った。
ムーン「その整理番号なら僕です。」
ミハイル「これのどこが番号なんだ、これのどこが」
ムーン「ご用件は」
ミハイル「ここ、ゼロがひとつ抜けてるぞ」
ムーン「どこです」
ミハイル「ここだ。」
書類を机の上において不備がある部分をトントンッと指で叩いた。
ムーン「……そういわれるとそんな気もしますね」
ミハイル「お前はアホか!書類でゼロをひとつ間違えるのがどんなに大事かわからんのか!」
ムーン「なにをピリピリしてるんです。もしかしてあの日ですか?」
ミハイル「お前は!」
チコ「おほんっ!」
「「……」」
ミハイル「もういい、話し合っても無駄なような気がする。」
ムーン「おかしな殿下だ」
ミハイル「おかしいのはどっちだまったく……」
~~
しばらくして昼休憩の時間になり、昼食のため食堂に集まったが何故か運ばれてこない。
チコ「殿下、昼食ができてないそうです。」
ミハイル「どういうことだ?」
調理係「すみません。ウッカリしてました。」
ミハイル「はぁっ!?」
調理係「すぐつくりますから一時間ほど待ってください。」
「いいよいいよ」
「ウッカリミスは誰にでもあるさ」
「「ハッハッハッ」」
ミハイル「なななな!なんなんだお前ら!慰め合ってどうする!さっきの書類の件といいお前たちちょっと、いやだいぶたるんでいるぞ!」
ムーン「なにをカリカリしてるんです。」
ミハイル「誰がカリカリさせてるんだ!」
「誰だ?」
「さぁ」
ミハイル「コイツらは~!とにかくウッカリミスをなくせ!」
「「えー無理ですよ」」
ミハイル「諦めるな根性を出せ!」
「ついうっかりするからミスをするのであって根性でどうにかなるもんじゃありませんよ。」
「殿下だってウッカリすることはあるでしょう。」
ミハイル「ないっ!!」