ー日常ー街の住人達【9】

ー家政婦派遣会社:CHMー

前回、暴徒と化した男から身を挺して人事担当者を守ったおマリだったが、揉み合っている拍子に顔のメークが崩れてしまい、正体がバレて……。

人事担当者「ななななっ!何という厚化粧!」

マリア「そこかい!!」

人事担当者「ひーーっ!美空さん、暴漢から助けてもらってこんなことを言うのもなんだが化粧の崩れた中年女性の顔はものすごく心臓に悪い!化粧を直してくださらんか!」

マリア「……わかりました。」

ウィッグすら飛んで化粧どころの問題ではないはずだがバレてないのならこれ幸い。おマリは化粧室へと移動して再変装する。

ジャー、ごしごし、ニュルニュル、ドベドベ、ムリムリ、ズゾゾソゾッ!

人事担当者「とても化粧を直してる音には聞こえん。」

マリア「お待たせしました。」

来た当初と同じ顔に再メークが済んだ。

人事担当者「おおウィッグも復活して元通りだ!それなら、心臓の悪い私でも大丈夫です。ピチピチの若い娘ではないのだから化粧崩れには気を付けてくださいよ。」

マリア「(普通にセクハラで訴えれるなこれ)」

人事担当者「それではさっそく住み込みで教官として働いていただきましょう。」

マリア「住み込み!?」

人事担当者「そういう規則なので」

マリア「それなら、身の回りの荷物を取ってきませんと」

人事担当者「ああ、なるほどでは、お待ちしてますよ。」


そうして抜け出す機会を得たおマリは一旦アラファト家政婦教会へと帰ってきた。

お熊「あら、おマリちゃん早かったわね。」

マリア「実は、これこれしかじかで」

お熊に今まであったことを説明した。

お熊「まぁ、教官」

マリア「おかげで、すぐ会長にも会えましたし耳寄りな情報もキャッチしました。」

お熊「どんな?」

マリア「CHMの背後にいるのは黄昏の10月教団です。」

お熊「今売り出し中の新興宗教ね。聞いたことがあるわ。」

マリア「恵方巻きも教団の指示なんです。」

お熊「匂うわね。ぷんぷん匂うわ。アメリカの本部のある新興教団と旧ソ連の極東戦略がどこで結びつくりのか……CIAに調べさせるわ」

マリア「お願いします。」

「ムリーー!」

お熊さんが出ていこうとしたと同時に誰かが叫びながら飛び込んできた。

マリア「おタネさん」

お熊「無理って何が」

おタネ「それが……あら、こちらの見かけない人は?」

お熊「おマリちゃんよ。変装してるの。」

おタネ「まあ、お上手」

マリア「どうも」
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