ー日常ー街の住人達【9】
ーフランス:ゴート子爵邸ー
騒ぐチコを無視して近づくと妙な物がかかっていた。それは忌中札(きちゅうふだ)だ。それに垂れ幕も下がっている。
ミハイル「ん?」
チコ「殿下、あっち」
ミハイル「なんだ?」
坊主「ナーム、ナーム」
得の高そうなお坊さんが経を上げている。
ミハイル「ここはフランスじゃないのか!」
「フランスですよ」
ミハイル「どうしてフランスで坊さんがお経をあげてるんだ!」
「亡くなったゴート子爵が仏教徒だったんだからしかたないでしょう。」
ミハイル「フランス人が仏教を信仰しちゃいかんという法律はないが!……えっ、亡くなった?」
チコ「すいません。いきなりやってきてお騒がせして…」
「いえ、大丈夫です。それよりもミハイル殿下」
ミハイル「あっ!あなたは!ロンドン大使館の近くで雑貨屋をやってる、釣りが趣味のオケラマンさん!」
ヒマナ「いえ、去年の世界名探偵友の会会議でお会いした私立探偵のヒマナです。」
ミハイル「だからそういってるじゃありませんか僕は物覚えがいいんです。ハッハッハッ」
ヒマナ「はあ、それで殿下はこちらになにをしにおいでで?」
ミハイル「ヒマナ氏こそなにをやってるんです。」
ヒマナ「子爵から宝石盗難事件の調査を依頼されたんです。」
チコ「宝石盗難事件!?」
ミハイル「もしかしてそのなかに41カラットのエメラルドはありませんでしたか!」
チコ「41カラットのエメラルド!?」
ヒマナ「グリーン・コンチネントですかリストにありました。」
ミハイル「事件が起きたのは!!」
ヒマナ「20年前」
ミハイル「なにが悲しゅーて20年前の事件を今ごろしらべとるんじゃい!」
ヒマナ「最近依頼されたんですよ!」
チコ「あの、ぜんぜん話が分からないんですけど。」
ミハイル「雰囲気で感じ取れ!」
チコ「んな無茶な…。」
ヒマナ「とりあえず中へどうぞ。ご説明します。まずここが20年前、子爵が私室として使っていた部屋です。」
事件当日は収集した多くの宝石をテーブルに広げて悦に入っていました。
すると、何者かが石を投げ込んで窓ガラスを割ったのです。子供のイタズラかと思いあたりを見まわしても人影はなし。
ふとテーブルを見やると宝石は消えていました。
子爵は慌てて部屋から飛び出すと近くに居た執事に、今この部屋から誰か出たかと尋ねましたが、執事は誰も出ていないと答えるがならばお前が怪しいと締め上げたのです。
窓に気を取られているスキに誰かがドアから忍び込んで宝石を盗んでいったとしか考えられない状況でした。
騒ぐチコを無視して近づくと妙な物がかかっていた。それは忌中札(きちゅうふだ)だ。それに垂れ幕も下がっている。
ミハイル「ん?」
チコ「殿下、あっち」
ミハイル「なんだ?」
坊主「ナーム、ナーム」
得の高そうなお坊さんが経を上げている。
ミハイル「ここはフランスじゃないのか!」
「フランスですよ」
ミハイル「どうしてフランスで坊さんがお経をあげてるんだ!」
「亡くなったゴート子爵が仏教徒だったんだからしかたないでしょう。」
ミハイル「フランス人が仏教を信仰しちゃいかんという法律はないが!……えっ、亡くなった?」
チコ「すいません。いきなりやってきてお騒がせして…」
「いえ、大丈夫です。それよりもミハイル殿下」
ミハイル「あっ!あなたは!ロンドン大使館の近くで雑貨屋をやってる、釣りが趣味のオケラマンさん!」
ヒマナ「いえ、去年の世界名探偵友の会会議でお会いした私立探偵のヒマナです。」
ミハイル「だからそういってるじゃありませんか僕は物覚えがいいんです。ハッハッハッ」
ヒマナ「はあ、それで殿下はこちらになにをしにおいでで?」
ミハイル「ヒマナ氏こそなにをやってるんです。」
ヒマナ「子爵から宝石盗難事件の調査を依頼されたんです。」
チコ「宝石盗難事件!?」
ミハイル「もしかしてそのなかに41カラットのエメラルドはありませんでしたか!」
チコ「41カラットのエメラルド!?」
ヒマナ「グリーン・コンチネントですかリストにありました。」
ミハイル「事件が起きたのは!!」
ヒマナ「20年前」
ミハイル「なにが悲しゅーて20年前の事件を今ごろしらべとるんじゃい!」
ヒマナ「最近依頼されたんですよ!」
チコ「あの、ぜんぜん話が分からないんですけど。」
ミハイル「雰囲気で感じ取れ!」
チコ「んな無茶な…。」
ヒマナ「とりあえず中へどうぞ。ご説明します。まずここが20年前、子爵が私室として使っていた部屋です。」
事件当日は収集した多くの宝石をテーブルに広げて悦に入っていました。
すると、何者かが石を投げ込んで窓ガラスを割ったのです。子供のイタズラかと思いあたりを見まわしても人影はなし。
ふとテーブルを見やると宝石は消えていました。
子爵は慌てて部屋から飛び出すと近くに居た執事に、今この部屋から誰か出たかと尋ねましたが、執事は誰も出ていないと答えるがならばお前が怪しいと締め上げたのです。
窓に気を取られているスキに誰かがドアから忍び込んで宝石を盗んでいったとしか考えられない状況でした。