ー日常ー街の住人達【9】
ー東京:CHM会社前ー
「恵方巻をくれー!」
「恵方巻が食べたいんだー!」
「一日一本食べないと落ち着かない!」
「どうして配らないんだ!」
CHM員「皆さま!恵方巻を作っていた工場に事故があり生産ラインがストップしております!別の工場で生産の準備を進めておりますので、もうしばらくお待ちください!」
「どれぐらい待てばいいんだ!」
CHM員「遅くとも一週間以内には生産を再開する予定です。」
「そんなに待てるか!」
「ここには在庫はないのか!」
CHM員「多少はございますが、とても皆さま全員にお配りするほどの量は……」
「「「それをよこせ!!」」」
CHM員「困ります!どうか、落ち着いてください!」
マリア「まるで暴動だわ。」
あの恵方巻には絶対、なにか秘密がある。そうでなければ、あんなに騒ぎになるはずがない。
家政婦協会に戻ってCHMの様子を報告した。
おばちゃん「CHMがえらいことになってる?」
マリア「すごかったですよ。」
おばさん「CHMに流れたお客さんたちも恵方巻を求めて血眼になってるって聞いたわ。」
おばちゃん「やめてった、お客さんとは言え、なんだかお気の毒だわねえ。」
マリア「まったくわけがわかりません。」
お熊「おマリちゃん、ちょっと」
お熊さんに呼ばれた先は会長室だった。中では会長と番頭さんがいた。
会長「おマリやたいへんなことが判明したのじゃ。」
マリア「なんですか?」
番頭「お熊、説明を」
お熊「アメリカCIAの科学研究所から報告が届いたの」
マリア「恵方巻ですね!何が分かりました!」
お熊「恵方巻の主な具材はマグロとイカなのよ」
マリア「それは知ってます。ロシア産のマグロのトロと同じくロシア産のイカとのマッチングが絶妙で美味しいんだと前回CHMがいってました。」
お熊「日本CIAの分析と同じく違法な薬物なんかは検出されないんだけど、ただし」
マリア「ただし?」
お熊「マグロとイカが曲者なの。」
マリア「はあっ?曲者ったって普通のマグロとイカじゃないんですか?」
お熊「それが違うのよ。ロシアの限られた地域で、とれるマグロの特にトロの部分とイカには非常に珍しい旨み成分があって、その両者を同時に摂取すると、体内で反応を起こし、ものすごく強い習慣性を生み出すらしいの。」
マリア「なんですって!?すると、マグロとイカを一緒に食べると身体の中で麻薬ができるようなものなんですか!」
お熊「まあ、分かりやすく言えば。」
「恵方巻をくれー!」
「恵方巻が食べたいんだー!」
「一日一本食べないと落ち着かない!」
「どうして配らないんだ!」
CHM員「皆さま!恵方巻を作っていた工場に事故があり生産ラインがストップしております!別の工場で生産の準備を進めておりますので、もうしばらくお待ちください!」
「どれぐらい待てばいいんだ!」
CHM員「遅くとも一週間以内には生産を再開する予定です。」
「そんなに待てるか!」
「ここには在庫はないのか!」
CHM員「多少はございますが、とても皆さま全員にお配りするほどの量は……」
「「「それをよこせ!!」」」
CHM員「困ります!どうか、落ち着いてください!」
マリア「まるで暴動だわ。」
あの恵方巻には絶対、なにか秘密がある。そうでなければ、あんなに騒ぎになるはずがない。
家政婦協会に戻ってCHMの様子を報告した。
おばちゃん「CHMがえらいことになってる?」
マリア「すごかったですよ。」
おばさん「CHMに流れたお客さんたちも恵方巻を求めて血眼になってるって聞いたわ。」
おばちゃん「やめてった、お客さんとは言え、なんだかお気の毒だわねえ。」
マリア「まったくわけがわかりません。」
お熊「おマリちゃん、ちょっと」
お熊さんに呼ばれた先は会長室だった。中では会長と番頭さんがいた。
会長「おマリやたいへんなことが判明したのじゃ。」
マリア「なんですか?」
番頭「お熊、説明を」
お熊「アメリカCIAの科学研究所から報告が届いたの」
マリア「恵方巻ですね!何が分かりました!」
お熊「恵方巻の主な具材はマグロとイカなのよ」
マリア「それは知ってます。ロシア産のマグロのトロと同じくロシア産のイカとのマッチングが絶妙で美味しいんだと前回CHMがいってました。」
お熊「日本CIAの分析と同じく違法な薬物なんかは検出されないんだけど、ただし」
マリア「ただし?」
お熊「マグロとイカが曲者なの。」
マリア「はあっ?曲者ったって普通のマグロとイカじゃないんですか?」
お熊「それが違うのよ。ロシアの限られた地域で、とれるマグロの特にトロの部分とイカには非常に珍しい旨み成分があって、その両者を同時に摂取すると、体内で反応を起こし、ものすごく強い習慣性を生み出すらしいの。」
マリア「なんですって!?すると、マグロとイカを一緒に食べると身体の中で麻薬ができるようなものなんですか!」
お熊「まあ、分かりやすく言えば。」