ー日常ー街の住人達【9】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

チコ「ひょっとしてエメラダ中がこうなんでしょうか?」

ミハイル「だったら大変だ!」

ムーン1「調べます!」

慌てて宮殿外の様子を調査した結果。

チコ「殿下、どうやら市内は異常がないみたいです。異変は宮殿の中だけのようです。」

ミハイル「国民が困ってないならまだしもだな…。」

とりあえず安心した最中また何かしらの被害があったのか誰かが叫びながら走ってきた。

ムーン8「わーーー!」

ミハイル「今度は何だ!」

ムーン8「○○ー=○゜ッ○ーのファンタスティックな獣!楽しみにしてたのに本が本として機能してないから、字は読めるけど内容が頭に入らないんです!」

ムーン1「このさなかに読書家バカたれ!」

ミハイル「○○ー=○゜ッ○ー魔法使いの物語だな。原因は魔法か?」

チコ「魔法ですか!?」

ミハイル「調べればわかることだ!MCが機能していない、図書室から魔法書をもってこい!」

チコ「ですけど、本も本として機能していませんよ?」

ミハイル「さっき自分で宮殿内だけと言っただろ外に運び出して読めばいい。」

チコ「なるほど。すぐに運びだします。」


~~


図書室から運び出された本を山積みにして全員で目を通し始めた。

ムーン1「やっぱり宮殿の外ならちゃんと読めますね。」

ミハイル「それにしてもずいぶんあるな。」

チコ「手分けしても時間がかかりますね。」

普通に読むだけでも相当な難度の本に四苦八苦しながらページを進めていく。

ミハイル「あった!「赤竜」にのってる。すべての機能を停止させる「停滞魔法」。」

チコ「停滞魔法ですか」

ミハイル「まず術者がなすべきことは、満月の晩に銀の食器でカエルの目玉を食し、しかるのち、アカラ・カバラ・ダンバラと3回唱うべし。さすれば停滞魔法が発生する。なお、この魔法は時とともに広がり、ついには国中をおおいつくすので注意が肝要。」

チコ「ゆうべは満月でした。」

ミハイル「誰かが魔法をかけたんだな。宮殿で銀の食器を使ってるのは?」

チコ「殿下だけです。」

ムーン1「われわれはアルミの食器です。」

ミハイル「えっ?いや、だとしてもカエルの目玉なんて食べてないぞ。」

チコ「実は食べたんです。」

ミハイル「……えっ!?」

ムーン1「説明します。昨日釣りにいったんですが釣れたのが大きなカエル一匹だけで」

~~

ムーン1『どうしようカエルは鶏肉に似た味だというが』

調理係『殿下に食べさせちゃうか』

ミハイル『うまいチキンシチューだな。』

調理係『やっぱり間違えてる。』

ミハイル『なんだ、この丸くてコリコリしてるのは、うまいが。』

調理係『出汁を取るために入れた目玉を出すのを忘れてたな。まあいいや。』

~~

ムーン1「というわけで食べたんです。」

ミハイル「不自然な物を食わせるな!」
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