ー日常ー街の住人達【9】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

ミハイル「ふわー、よく寝た。さぁて、朝のニュースだ。」

ベッドの上で目覚めたミハイルはリモコンを操作してテレビをつけようとした。しかし、何度か電源のボタンを押すが一切反応しない。

チコ「殿下、お目覚めですか」

ミハイル「僕はお目覚めだがテレビが目覚めない。」

リモコン自体はピッピッと反応しているので電池切れではない。

ムーン1「テレビだけではありません。すべての電気製品が作動しないのです。」

ミハイル「停電か?」

ムーン1「停電ではありませんしブレーカーが落ちたわけでもありません。電気は流れています。」

ミハイル「なぜわかる」

チコ「針金をもって差し込んでください。」

電気プラグに指をさす。ミハイルはおもむろに針金を差し込んだ。すると当然電気が走って感電した。

※絶対に真似してはいけません。

ミハイル「ぎゃああああっ!」

チコ「ね?」

ミハイル「ねっ、じゃない!電気製品がいっせいに故障したとも思えん。マザーコンピューター原因を調べろ。」

MCに調べさせようとしたが何も反応しない。

チコ「マザーコンピューターも作動していないのです。」

ミハイル「バカな!独立した電気系統だぞ停止するはずが……!」

ムーン1「でも現に動いていません。」

ミハイル「うーむ?少し調べてみるか。」

着替えを終えて宮殿内の様子を確認し始めるとすぐにあちこちから声をかけられた。

ムーン2「あ、殿下!たいへんです。ほかのものも機能しなくなりました!」

ミハイル「なにっどういうことだ!」

ひとりが蛇口をひねりながらいった。

ムーン2「蛇口をひねっても水が出ませんし。」

あるものが紙にペンを走らせるが

ムーン3「ペンもかけません。」

ムーン2「これらは断水インク切れと理屈つけることもできるのですが」

ムーン3「もっと不思議なのは」

取りだしたのは白くて四角い塊。

ミハイル「消しゴム?」

その消しゴムで文字の上を何度かこするが文字はそのままで消えていない。

ムーン2「シャーペンで書いた文字が消せません。つまり消しゴムが消しゴムとして機能していないのです。」

ミハイル「んん?どういうことだ。」

殿下がおもむろに椅子に座るとなぜかだんだんと顔色がわるくなっていく。

チコ「殿下?」

ミハイル「苦しい!立ってるより座ってる方が楽!椅子は、そのために存在するのだが椅子として機能してないから、座ってるとどんどん苦しくなる!なんなんだこれは!科学で説明がつく現象じゃないぞ!」
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