ー日常ー街の住人達【9】

ーアラファト家政婦派出協会:談話室ー

おマリこ夢前マリアはアラファト家政婦派遣協会の家政婦です。

お父さんが残した借金を返済するために働いているのですが最近できたCHM(チャリティー・ホーム・メーカーズ)という家政婦派遣会社がことあるごとに対立してくるので困っているのです。

おばさん「またCHMにお仕事取られちゃったわ。」

おばちゃん「わたしもよ…」

おばさん「新しいお客さんを開拓しようと足を伸ばしても、いつも先回りされてるのやんなっちゃうわ。」

会長「本格的にCHMの動向をさぐらねばならんようじゃの。」

「「会長」」

アラファト家政婦派遣協会会長、荒川歩安太郎。今年88歳になる彼は第次大戦中、おマリのお爺さんに命を助けられたことに恩義を感じて。おマリを雇ってくれている。とても義理堅い人です。

会長「最近、CHMはわしらに対してきわめて系統だった妨害を仕掛けてきておる。対アラファト情報戦略が確立されておる証拠じゃ。ひるがえって、われわれは敵のことをほとんど知らぬ。お熊、その差の原因はどこにあると思うか。」

お熊「そうですね。CHMには情報収集と分析のための専門化されたセクションがあるということでしょうね。」

会長「わしもそう思う近代戦においては情報こそが最大のポイントであり」

お熊「ええ、ですからかつてのOSSとGPUの確執を例にとるまでもなく…」

マリア「あのーもう少し素人にも分かるように話してもらえないでしょうか。」

「「以下同文」」

お熊「ようするにあたしたちもCHMの情報を集めなくちゃならないってことよ。」

マリア「どうやって?」

会長「そこがこの問題のキモなのじゃ。番頭」

番頭「はい」

会長「お熊、おマリわしの部屋へ」

呼ばれた三人は会長の部屋へ向かうと、ある作戦を話した。

マリア「スパイ!?」

会長「大きな声を出すな他の家政婦たちには聞かせられんトップシークレットじゃ。CHMにスパイを送りこむんじゃ。」

マリア「え~と…」

番頭「スパイと言えば日本CIAの嘱託職員であるこのお熊でしょうが、しかしお熊は目立ちすぎますよ。」

お熊「まっ、番頭さんたらあたしがものかごく美しいから、目立ってしょうがないだなんて」

番頭「(そうはいっとらんが…)」

お熊「それに会長、もしCHMがうちの情報を豊富に持ってるならおもだった家政婦の面は割れてるかもしれませんよ。」

会長「そこでおマリじゃ」
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