ー日常ー街の住人達【9】
ーアラファト家政婦派出協会:談話室ー
マリア「困ったなぁ」
お熊「あら、おマリちゃんどうしたの?」
マリア「一か月前からお世話になっている中野の玉木様のことで悩んでるんです。」
お熊「ふーん、どんなこと?」
マリア「玉木兵六(たまきへいろく)とおっしゃるおじいちゃんなんですが初めてうかがったその日」
~~
玉木『わしゃ悪夢を見るんじゃ』
マリア『……はっ?』
玉木『得体の知れないモノに追いかけられる怖い夢をしょっちゅう見るんじゃ。なんとかならんか』
マリア『そうおっしゃられましても。』
玉木『その家の主人のために働くのが家政婦の務め主人の悩みを解決するのも家政婦の仕事ではないか、なんとかせい。』
マリア『え~…』
~~
お熊「ずいぶんムチャぶりだわね。そのおじいちゃん。」
マリア「そうなんです。」
お熊「だいたい悪夢で悩んでるなら相談するのは家政婦じゃなく精神科のお医者さんでしょう。」
マリア「そう思って一応うかがってみたんです。」
お熊「あら、そうなの。」
~~
マリア『失礼ですがお医者さんに相談されたことは?』
玉木『わしゃ医者と納豆とタコの酢の物はだい嫌いじゃ』
マリア『え~と……あっ、そうだ。ドラッグストアで睡眠促進剤的な薬を買ってまいりましょうか。お飲みになってぐっすりお休みになれば悪夢も見ないかもしれません。』
玉木『わしゃ薬とオカラSひじきを煮たのは』
マリア『大嫌いなんですね。』
~~
お熊「逆らう性格だわね。その玉木兵六は」
マリア「実際、困りました。」
お熊「年寄りのくせにオカラやヒジキがきらいだなんて。」
マリア「問題はそこでなくて、医者もダメ、薬もダメ、だけど悪夢を見ないような工夫をしろとおっしゃるんです。」
お熊「ひとつ名案があるわ」
マリア「本当ですか!」
お熊「玉木兵六を絞め殺すのよ」
マリア「はあっ!?」
お熊「そうすれば金輪際悪夢なんか見ないわ。」
マリア「真面目な顔で冗談いうのはやめてください。どんな無理な注文でも、ご主人様のおっしゃることですから、聞かないわけにはいきません。ホットミルクを飲むとよく眠れるといいますから、毎晩お出ししたり身体を疲れさせればいいのではないかと考えお休み前に散歩をおススメしたり、いろいろ工夫はしてるんですが……効果はありませんでした。」
マリア「困ったなぁ」
お熊「あら、おマリちゃんどうしたの?」
マリア「一か月前からお世話になっている中野の玉木様のことで悩んでるんです。」
お熊「ふーん、どんなこと?」
マリア「玉木兵六(たまきへいろく)とおっしゃるおじいちゃんなんですが初めてうかがったその日」
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玉木『わしゃ悪夢を見るんじゃ』
マリア『……はっ?』
玉木『得体の知れないモノに追いかけられる怖い夢をしょっちゅう見るんじゃ。なんとかならんか』
マリア『そうおっしゃられましても。』
玉木『その家の主人のために働くのが家政婦の務め主人の悩みを解決するのも家政婦の仕事ではないか、なんとかせい。』
マリア『え~…』
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お熊「ずいぶんムチャぶりだわね。そのおじいちゃん。」
マリア「そうなんです。」
お熊「だいたい悪夢で悩んでるなら相談するのは家政婦じゃなく精神科のお医者さんでしょう。」
マリア「そう思って一応うかがってみたんです。」
お熊「あら、そうなの。」
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マリア『失礼ですがお医者さんに相談されたことは?』
玉木『わしゃ医者と納豆とタコの酢の物はだい嫌いじゃ』
マリア『え~と……あっ、そうだ。ドラッグストアで睡眠促進剤的な薬を買ってまいりましょうか。お飲みになってぐっすりお休みになれば悪夢も見ないかもしれません。』
玉木『わしゃ薬とオカラSひじきを煮たのは』
マリア『大嫌いなんですね。』
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お熊「逆らう性格だわね。その玉木兵六は」
マリア「実際、困りました。」
お熊「年寄りのくせにオカラやヒジキがきらいだなんて。」
マリア「問題はそこでなくて、医者もダメ、薬もダメ、だけど悪夢を見ないような工夫をしろとおっしゃるんです。」
お熊「ひとつ名案があるわ」
マリア「本当ですか!」
お熊「玉木兵六を絞め殺すのよ」
マリア「はあっ!?」
お熊「そうすれば金輪際悪夢なんか見ないわ。」
マリア「真面目な顔で冗談いうのはやめてください。どんな無理な注文でも、ご主人様のおっしゃることですから、聞かないわけにはいきません。ホットミルクを飲むとよく眠れるといいますから、毎晩お出ししたり身体を疲れさせればいいのではないかと考えお休み前に散歩をおススメしたり、いろいろ工夫はしてるんですが……効果はありませんでした。」