ー日常ー街の住人達【9】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

ミハイル「確かにそれもそうだな、それじゃあドロボウか!?」

チコ「そこらへんのドロボウに開けられるかどうかは別として」

ムーン1「ドロボウなら48万円だけじゃなく全額盗んでいくでしょう。」

ミハイル「それじゃいったい……」

ムーン2「殿下、ちょっと気になることが」

ミハイル「お前が盗んだのか!!」

ムーン2「違います!話を聞いてください!実は僕昨日は非番でヒマだったので」

ミハイル「ふむ」

ムーン2「今までに降ってきた魚や肉や野菜をお店で買ったらいくらになるか計算してみたんです。」

ムーン1「ホントにヒマだな。」

ムーン2「だからヒマだったんだって。そしたら計算した結果がですねきっかり48万円だったんです。」

ミハイル「ええっ?」

チコ「どういうことでしょう。」

ムーン1「偶然かもしれないがそれにしては金額が符合しすぎるな。」

ミハイル「ちょっと待てよ。怪現象によって48万円分の、いわば食材が空から降ってきた。そして降ることを願った僕のお金が48万円なくなった……誰かが食材の代金を無断で取り立てていったのか?」

「「「はあっ?」」」

ミハイル「考えてみると降ってくるのは魚やワニや蛙や虫の幼虫……食べられるものばっかりだ。」

チコ「ワニや蛙が食材ですか!?」

ミハイル「アホ。フランス料理ではカエルは高級食材だし、オーストラリアではワニ料理は定番だ。」

ムーン1「幼虫なんか食べませんよ!!」

ミハイル「以前ある芸能人が罰ゲームで、たき火で焼いたイモムシを食わされたんだ。はじめは嫌がってたが思い切って食べてみると「おいしい、卵焼きの味がする」といっていた。蜂のから揚げは海老の味だというし、基本的に虫は美味いんだ。だから鳥がこのんで食べるんだ。食べる習慣がないから気味が悪いだけで慣れていなければタコやイカだって不気味だろう。」

チコ「それはまぁ……」

ミハイル「僕の場合は48万円というまとまった金額だから気がついたがこれが千円や二千円せいぜい一万円だったらどうだ。財布から1万円無くなっていてもどこかで落としたか勘違いしたか最悪スリの仕業と考えるだけで自分が願った食材の代金を強制的に取り立てられたとは思うまい。」

「「どういうことです?」」

ミハイル「これがファフロッキーズ現象の真相だ!誰かがワニを食べたいと願ったからワニが降ってきたんだきたんだ!インドは暑いから誰かがカキ氷を食べたいと願ったから大きな氷が降ってきて、そして願ったインド人の財布から知らないうちに何ルピーか取り立てられたのだ!つまりこれは食材の押し売りだ!何者かが金儲けするためにファフロッキーズ現象を生み出したのだ!」
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