ー日常ー街の住人達【9】

ー常春の国エメラダ:ビジネスホテルー

ピノキオ氏の質問に殿下は即座に答えた。

ミハイル「ピノキオさんカーミラ女史は殺害されました。警察はアナタが犯人だと考えています。」

ピノキオ「……えっ!?」

ミハイル「あなたは取り調べを受けることになりますが何もしゃべってはいけません。」

グルメ「殿下!?」

ミハイル「僕が必ず真犯人を捕まえますから黙秘を通すのです。」

グルメ「殿下!捜査の妨害をされるおつもりですか!」

ミハイル「おお!妨害でもなんでもやるわい!」

グルメ「いくら国王でも越権行為ですぞ!」

ミハイル「無実の人間を犯人にしたくないから言ってるんだ!」

グルメ「彼は犯人です!」

ミハイル「警視の教条主義にこりかたまった思い込みが、そもそも間違ってるんだ!」

グルメ「動かぬ証拠がある!」

ミハイル「犯人のトリックだ!」

グルメ「殿下!」

ミハイル「古くさい石頭と議論してても時間のムダだ!僕がトリックを暴いて見せる!」

グルメ「殿下、勝手な真似は……!殿下!」

止める間もなく殿下は飛び出していった。

ミハイル「くそーっ!国王の殿下のと下手に出てればいい気になりおって、あのこわっぱが!!」

警官「警視が珍しく感情的になってる!!」


~~


宮殿に戻って事のあらましを振り返ってみんなで考えることになったる

チコ「首に残された指紋は決定的な証拠に思えますね。」

ムーン1「でも、人を殺してその隣で寝ているというのも普通の神経では考えられない話だぞ。」

ミハイル「その通りだ。この事件には不自然な点が多すぎる。だから彼が犯人ではないというところから始めなくてはならない。」

チコ「ということは?」

ミハイル「警視の思い込みに反してエメラダに女史を殺す動機を持った人間がいたということだ。では誰が女史が来ることを知っていたか」

「「はあ」」

ミハイル「誰もいない」

ムーン1「ええっ?!」

ミハイル「だってそうだろう。僕たちだってピノキオ氏がカーミラと言う女性を連れてくるなんて知らなかったんだ。つまり犯人は二人がエメラダに着いてから女史の顔を見て殺すほどの恨みのある相手だと気づいたことになる。」

チコ「しかし二人は空港からすぐにホテルにチェックインしたはずです。」

ミハイル「ホテルの中か…ホテルの関係者が犯人だったからこそ、ホテルが現場になったと考えるのは自然だ。関係者の経歴を調べろ。」

「「ラジャー」」

ミハイル「ついでにカーミラ女史の経歴もな、もし接点のある奴がいたら、そいつが犯人だ。」

チコ「女史の経歴はチェルシーに問い合わせるとして」

ムーン1「ホテルはどうするまともにたずねに行っても教えてくれるかな」

ムーン2「警視に邪魔されるかもしれないし。」

ムーン3「決まってる。ホテルのコンピューターに侵入するんだ。」

ムーン1「面白くなってきたな。」
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