ー日常ー街の住人達【9】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

ミハイル「MCよくやってくれた。君のおかげで地球は救われた。」

MC【恐レイリマス】

ムーン1「地球が救われた!?」

チコ「殿下、どういう事ですか!説明してください!」

ミハイル「2週間前ぼくはミハイル山にキノコ採りに行ったんだ。」

チコ「えーっミハイル山には妖怪がウジャウジャいるから近づくなと国民にいってるのに?」

ミハイル「僕はいいんだ。」

とにかくミハイル山の五合目付近へ行ったとき……空に一瞬だけ光が瞬いたと思うと先ほどのナメクジの怪物のような宇宙人が現れた。

チコ「唐突ですね」

ミハイル「宇宙人だ、しかもこいつは宇宙船を使わずに単体で宇宙空間を飛行してきたに違いない。となぜか直感したのだ。」

ムーン1「なぜです?」

ミハイル「だから直感だっーとろーが。」

するとそこに妖怪たちが現れて、その宇宙人に絡んでいったのだが超能力なのか何なのか、妖怪たちは膨らませ過ぎた風船のように次々と破裂していった。

とにかく強い奴だった。妖怪たちが現れなければ気配に気づかれて僕も危なかったかもしれない。急いで帰ってMCに今見たこと報告すると……。

MC【殿下、ソノ形状ト能力カラ考エテソノ宇宙人ハ、ぎろがろん超常星人ニチガイアリマセン】

チコ「ギロガロン超常星人!?」

ムーン2「MCは宇宙人のことまで知ってるんですか!」

ミハイル「MCは地球はもちろん銀河を飛び交うあらゆる電波重力波などを傍受分析している。その中に銀河連邦警察の指名手配情報があったそうだ。ギロガロン超常星人、一般に超人族と呼ばれるそいつらは超能力を駆使して、わずか十数体でひとつの惑星を制圧征服できるほどの能力を持つ凶悪にして残忍な、いわば宇宙のマフィア」

チコ「惑星を制圧してどうするんです?」

ミハイル「売り飛ばすんだ」

チコ「誰に?」

ミハイル「それは知らんがそんな奴が地球に現れたんだ。地球が狙われたと考えて間違いない。幸いやってきたのは一体だけだ。斥候だろう、コイツを片付ければ他の奴らは迂闊に地球に近づこうとはしないだろうと考えて。MCに相談して始めたのがゼリー作戦だ。」

「「「えっ」」」

ミハイル「うるさい妖怪たちが居るからいつまでもミハイル山にはいられない、斥候には地球を調べる拠点となるアジトが必要だ。そんなところに宮殿には気味の悪いものがうごめいているという噂を流せば紛れ込める。と考えるだろう。宮殿におびき寄せることさえできればMCが補足して地下の超小型ハイパー原子炉の全出力でいかな超人族といえど撃破できるはず。これがゼリー作戦だ。」

ムーン1「うわお」

ムーン2「あの不気味なゼリーにはそんな深い理由があったんですね。」

ミハイル「宮殿はえらいことになったがな。」

チコ「建て直せば済むことです。殿下、見直しましたMCの働きもありますが、殿下こそ地球を救ったヒーローです。」

ミハイル「よしてくれ、僕は自分のやるべきことをやっただけだ。」

チコ「うわー、今日の殿下は何だかカッコいい」
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