ー日常ー街の住人達【9】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

ムーン1「この2.3日のゼリー騒ぎは知ってるな」

ムーン4「モチのロン」

ムーン1「あのゼリーが動くようになったんだ。」

ムーン4「えっ?」

ムーン5「ええっ?」

買い物から帰ったふりは顔を見合わせて首をかしげた。

ムーン2「なんだ変な顔をして」

ムーン4「変な顔はお互いさま。そうでなくて、商店街に行ったらみんなこっちを見てヒソヒソ話してるんだ。何だろうと思って聞いてみたら」

『宮殿は大変そうですね。気味の悪いものがうごめいていて』

ムーン5「不気味なものは嫌と言うほど有るけど別にうごめいてはいないけどなぁ。」

ムーン4「そう思って帰ってきたらゼリーが動いてるというじゃないか。」

チコ「ちょっと待ってくださいゼリーが動き始めたのはついさっきですよ。」

ムーン4「だからさ、ぼくたちも知らなかったゼリーが動く事実をどうして商店街の人たちが知ってたんだろうと考えて変な顔になってたんだ。」

チコ「それは不思議ですね。」

話しているとナメクジのように這う動きで歪な怪物が部屋の中へと入ってきた。

ムーン1「また新しいのが出てきた。」

すると突如、宮殿内放送で殿下の声が響いた。

ミハイル『マザーコンピューター!補足ビーム!』

部屋のどこからか発射されたビームが歪なナメクジの怪物に直撃したが瞬間に姿が消えた。

チコ「えっ?!」

ミハイル『補足ビームを振りきった!?さらにパワーアップして補足!』

部屋の隅にワープした怪物に再びビームが直撃、そして宮殿内に鳴り響く警報。

ムーン1「えっ!?核戦争クラスの事件の時のための第一級サイレン!」

ミハイル『総員退避!自分の命を守ることだけ考えろ!』

それから時間で表すとほんの数分のことだが近くにいたものにとっては地獄のように長い時間、衝撃に爆音に苛まれた。

ようやく静かになって外へと出てみると……。

ムーン1「な、なんだこれは……」

チコ「宮殿が半分吹き飛んでる…」

ミハイル「けが人はいないか?」

チコ「殿下、大丈夫です。全員シェルターに逃げ込みましたから。」

ムーン1「うわっ、殿下。マザーコンピューターがえらいことになってます。」

末端の一部が千切れて粉々に砕け散っている。

ミハイル「MC、ケータイの電波は拾えるか?今の状況は?」

MC【地下ノ本体ハ無傷デス問題アリマセン。】

ミハイル「よかった。」
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