ー日常ー街の住人達

ー池袋東口:和龍軒ー

紅「冷やし中華でわりゅうすぺしゃるってできない?」

千夜「……あ?」

紅「いや、ほら暑いじゃん。ラーメンもいいけどやっぱり夏は冷やし中華がいいじゃん」

千夜「それで……トッピングを冷やし中華に全部乗せろってか?」

紅「そうそう」

千夜「冷やし中華には錦糸卵、キュウリ、ハム、茹でもやしとプチトマトが乗ってるだろ」

紅「そこにさらにトッピング」

千夜「出てけ」

多恵「こら、何いってるの」

千夜「何いってるのはコイツのことだろ」

紅「ダメかな……普通に受けると思うんだけど」

多恵「確かに……悪くはないわね。」

千夜「おい」

多恵「夏季限定、冷やし中華わりゅうすぺしゃるやってみようか」

千夜「マジかよ……」

紅「じゃあ、俺一番最初に注文する」

千夜「……はぁ、わかったよ。作りゃいいんだろ、つくりゃあよー。」

紅「千夜ちゃんは根はいいんだよな」

千夜「やっぱり出ていけ」

紅「食ったらな」

ガララッ…

千夜「いらっしゃ……い」

柏「……喫煙席」

千夜「お好きな席へどうぞ」

金剛「喫煙に入るのかソレ?」

柏「煙が出る喫煙だろう」

光臣「……」

紅「わー、濃いな」

千夜「……客は客だ。」

紅「ま、そりゃそうだ。」

千夜「ご注文は?」

柏「ラーメンにニンニクチップ大盛り」

金剛「わりゅうすぺしゃる大盛りとギョーザと白飯大盛り」

光臣「……」

千夜「……」

柏「そいつは水だけで」

千夜「……わかった」

あずみ「お冷しつれいします」

金剛「……なぁ、ちらちら見るなら話しかけたらどうだ」

紅「話しかけたら切られそうじゃん」

光臣「……」

柏「今は飯時だ。そんな真似はしない」

紅「飯時じゃなかったらしてんのかよ……」

柏「ふん」

金剛「やめてくれ……そうやってこの前、店を半壊させたんだから」

紅「アンタのところ?」

金剛「いや、牛丼屋」

千夜「……そういえば駅の近くの牛丼屋が改装工事してたな」

柏「あの店は客層が悪い。おそかれはやかれああなる運命だったんだろ」

金剛「いざこざがあったとしても店内でド長い日本刀振りまわす事件はおこらねぇよ!!」

柏「そんなことは起きなかった。」

金剛「だよな……新聞どころか警察沙汰にもなってないっていう事が現実に起きてるもんな」

紅「権力ってこえぇ…」

柏「権力ってのは怖いんだよ。だから、お前のところの王様にもよく言っとけ調子に乗ってると即箱に入れてやるとな」

金剛「お前がいつか入るぞ……」

柏「入ってもすぐに出るさ。物理的にな」

金剛「アンタやっぱり悠と血が繋がっ……」

柏「あ゛?」

金剛「……」
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