ー日常ー街の住人達【8】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

宮殿では24時間体制で多くのムーンたちが働いています。その仕事ぶりは各方面でのエリート中のエリートが集まっているだけあって優秀の二文字につきます。

しかし、今はのっそりもっさり、チンタラチンタラとだらけているではありませんか。

ミハイル「こらーっ!なにをチンタラ仕事をやってる!もっとシャキッとせんか!」

ムーン1「だって~エメラダは一年中春なんですよ?」

ミハイル「それがどうした?」

ムーン2「春だから、だるいわ。眠いわ集中力はそがれるわ。」

ムーン3「ボーっとしてもしかたありませんよ」

棍棒を取りだしてムーンたちをぶん殴りつつ殿下は叫んだ。

ミハイル「そんなこといってたらエメラダ国民は生涯ボーっとしたままじゃないか!根性出してシャッキリするんだ!いいな!」

「「「ふあ~い」」」


それから一時間後……


ミハイル「少しはマシになったか…どをっ!?」

様子を見に来た殿下だったが足が何かに引っかかってコケてしまう。まさか、また後神かと思いきやムーンたちが床に突っ伏していて、それに躓いたようだ。

「「「うー…」」」

ミハイル「さっきよりひどくなってるーー!」

チコ「ああ、殿下」

ミハイル「これはなんでこんなことになってる!」

チコ「それがですね。皆さん、やる気を出そうとは思ったみたいなんです。」

~~

『殿下のおっしゃる通りだ!このままじゃいけない!』

『みんなで頑張ろう!』

『『『おーー!』』』

~~

チコ「それだけで疲れ果てちゃったんです。」

ミハイル「アホかお前ら、根性を見せようとして疲れるアホが何処の世界にウンタラカンタラ!!」

「「「あー……」」」

チコ「お説教に疲れてますね…。」

殿下はどこかへ行くと何かを持ってすぐに戻ってきた。

ミハイル「インスタントヘルスチェッカー!」

機械のスイッチをいれるとビビビッと音がなり始めた。

チコ「なんですか?」

ミハイル「コイツらの身体に何か問題があるのか調べている。」

チコ「なるほど」

ビビビッとなっていたメディカルチェッカーがピーッと高音を出して停止した。

ミハイル「ふむ。病気ではないみたいだ。みんな肉体的には問題ない。とすると、あくまでも心理的な事象、全員やる気の出ないシンドロームにでもとり憑かれたか、ほっとけばそのうち治りそうな気もするが、しかし、コイツらがこのままだと仕事が遅れてしょうがない。」
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