ー日常ー街の住人達【8】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

後神『ピッピッ』

ミハイル「ふむ、もとは笑うのが好きな可愛い娘さんだったが、変わった?なぜ?」

後神『ピーピー』

ミハイル「異常な食欲?」

後神『ピピピッ』

ミハイル「ふむふむ、あるとき突然メチャクチャ食べるようになってすっかり変わった?どんな風に」

後神『ピーーッ…』

ミハイル「口じゃ説明できないって……そいつはどこにいるんだ。」

後神『ピッー』

ミハイル「隠れてるけど近くにいる?よし!ケラケラ女でてこい!」

バォンと空間が爆発したかと思うと白煙の中から巨大な人の形をした肉の塊に大きく開いた真っ赤な口から鋭利な牙が無数に覗いている化け物が現れた。

チコ「キャアッ!」

ムーン1「なんだこれはっ!」

ミハイル「元の姿があとかたもない!食べ過ぎて太りすぎて脂肪の塊になってしまったんだ!」

後神『ピッピッ』

ミハイル「なにっ!突然食べ始めたケラケラ女だが笑ってる間は食べるのを忘れる!?」

後神『ピー』

ミハイル「ふむ!今まではミハイル山の動物たちをコケさせたりして笑わせていたが!それもきかなくなったので人間を、つまり僕たちをコケさせて笑わせるようになった?ケラケラ女のために!?」

チコ「案外友達思い何ですね。」

ムーン2「妖怪もいろいろだね。」

ミハイル「やいケラケラ女!おまえの食欲は異常だ!なんらかのストレスからくる過食症の可能性がある!なにが原因だ!どんなストレスをかかえてるんだ!自己分析しろ!」

ケラケラ女『た……べ…たい…』

ミハイル「なにを!」

ケラケラ女『人間が食べたい!』

チコ「えええっ!?」

ミハイル「もしや!とぉっ!」

殿下は飛びあがると妖怪叩きでケラケラ女の頭部、正確には口の辺りを大きく振り抜いた。バチンッという音ともに大きな塊が叩き落とされる。

小豆あらい『チィッ!』

チコ「あれは、小豆あらい!?」

ミハイル「自分で人間を食べると評判が悪くなるからケラケラ女を代理に使おうと考えたんだな!」

小豆あらい『しゃらくさい!みんな食ってやる!』

破れかぶれに襲い掛かろうとした小豆あらいだったが、その背後から殿下の下半身を模した例の意味の分からないロボットが小豆あらいを跳ね飛ばした。

ミハイル「隙有り!撃て!」

「「「ハッ!!」」」

殿下の号令のもとムーンたちは懐から銃を取りだすと一斉に発砲した。さしもの凶悪妖怪小豆あらいも百発近い銃弾を撃ち込まれて絶命。

元に戻ったケラケラ女と後神は無事ミハイル山へ戻ってきました。

チコ「妖怪も通常火器で倒せるんですね。」

ミハイル「一発や二発じゃビクともしなかっただろうがな」

チコ「ところで、あの走り回る下半身型ロボットですが、どうしてあんなものを作ったんです?」

ミハイル「えーと…それはもちろん…………小豆あらいをやっつけるためさ。」

チコ「絶対に偶然でしょーが」

小豆とごうか人とって食おうショキショキショキショキ……ヒッヒッヒッ。
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