ー日常ー街の住人達【8】

ー東京:アラファト家政婦派遣協会ー

翌日の早朝…

番頭「起きんかーーっ!」

「「「わっ!?」」」

番頭「いつまで惰眠をむさぼっておる!労働者諸君、朝じゃ起きて働く時間が来たぞ!食堂で麦飯とタクアンとうすい味噌汁の豪勢なブレックファーストがまっておる!とっとと食って、とっとと働きに行くのじゃ!」

おばさん「また麦飯とタクアン~?」

おばちゃん「たまには卵くらい着けてくれないと身体が持たないわ。」

番頭「朝から卵じゃとー!?」

マリア「そんなにおどろくほどのことでも」

番頭「そんな大名みたいな贅沢はいってはいかーん!粗食は健康によいのじゃ!協会はお前たちのことを考えてあえて粗食にしとるのじゃ!協会の親心がわかったら早よくって早よ仕事に行け!」

またも言いたいことを言い終わったらとっとと出ていってしまう番頭。

マリア「ま、まあ、食べられるだけで幸せだと思いませんと。」

「「「そりゃまそうなんだけどさー」」」

マリア「さあ粗食堂にいって粗麦飯と祖タクアの粗朝食をちょうだいしましょう。」

おばさん「やめてよ気がめいるわ」

朝食後、家政婦さんたちはそれぞれ仕事先へ出かけていきます。

一日のきつい労働を終えて、夜に帰ってきます。

おばちゃん「夕食はまたメザシよ」

おばさん「番頭さんがたとえメザシでも尾(お)と頭(かしら)がついてるから尾頭(おかしら)つきだっていばってたわ」

おばちゃん「しめ殺してやろうかしら。」

おばさん「ところでおマリちゃんおそいわね。」

おばちゃん「そういえば」


~~


おマリが帰路についたのは今日が明日に変わる真夜中頃……。

マリア「あーあ、お酒好きのだんな様に絡まれて終電に乗り遅れてしまった。」

この時間帯になると表の出入り口は閉まってしまっているので裏口から出入りすることになっている。

やっと着いたと裏口のドアの前までたどり付いたところで静かにドアが開いた。別に隠れる必要もないのだがおマリは反射的に建物の陰へと身を潜めた。

番頭「……」

出てきたのは番頭さんだった。あたりをキョロキョロと見回してどこかへ歩いていってしまった。

マリア「なにかを買いにコンビニへ……って雰囲気でもないなぁ。」

こんな夜更けに何処へ行くんだろうかという疑問が残ったがおマリも疲れていたので深くは考えず祖夕食を食べて眠りについた。
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