ー日常ー街の住人達【8】
ーエメラダ銀座:倉庫ー
ミハイル「ずいぶん天井が高いな。それにしても洋品店の倉庫なんてえらく殺風景なものだな。」
店主「以前は荷物でいっぱいだった時期もあるのですが、最近はどうも不景気でして」
ミハイル「誰のせいだといいたいのか?」
店主「……は?」
ミハイル「不景気なのは誰かの責任だといいたいのか」
店主「いえ…」
ミハイル「政府の責任だといいたいのか」
店主「いえ、そんな…」
ミハイル「王室批判か」
店主「ですかに私はなにも…」
ミハイル「国王批判か!平民のぶんざいで不敬なことをぬかすとただではすまさんぞ!」
店主「なんにも言ってませんよー!」
チコ「殿下、いじめちゃかわいそうですよ。」
ミハイル「ふんっ」
店主「それでですね。」
ミハイル「おっ、立ち直りが早いな」
店主「おかげさまで、そんなことはどうでもよろしい。ごらんの通りこの倉庫はドアがひとつあるだけで窓もありません。そして、ドアの鍵は一本だけで私が肌身はなさず持っています。しかも鍵は特別あつらえで、ちょっとやそっとでは開けられません。なのにダンボールは消えてしまった。なぜでしょう」
ミハイル「ふーむ……ちかごろ変わったことはなかったか?」
店主「そうですね。そういえばこのあいだエメラダ小学校の子供たちが来ました。」
ミハイル「えっ、なにしに?」
店主「どこかの国で地震が起きて多くの人が服がなくて困ってる、だから倉庫にあるシャツとジーンズを寄付してもらえないかといわれたのですが」
ミハイル「ずいぶん大胆なことをいってきたものだな」
店主「子供らしいっちゃ子供らしいですけどね」
チコ「それでどうしたんですか?」
店主「はい、とうぜんですが売り物ですからそんなことはできないと断ったらスゴスゴ帰っていきました」
ミハイル「他には?」
店主「思い当たることはありません」
ミハイル「うーむ……宮殿に戻って考えてみよう。」
チコ「わかりました。」
店主「よろしくお願いします。」
宮殿に戻って日が隠れて、月が上りだすほど時間が経った頃……
ムーン1「殿下は?」
チコ「考え込んでますよ。パイプをくわえながら推理してるみたいです。」
ムーン1「パイプだとーー!?おい、ほっといていいのか!」
チコ「いえ、だから、ビニールパイプ」
ミハイル「すこー……すこー……」
ムーン1「なんの意味があるんだー!」
ミハイル「ずいぶん天井が高いな。それにしても洋品店の倉庫なんてえらく殺風景なものだな。」
店主「以前は荷物でいっぱいだった時期もあるのですが、最近はどうも不景気でして」
ミハイル「誰のせいだといいたいのか?」
店主「……は?」
ミハイル「不景気なのは誰かの責任だといいたいのか」
店主「いえ…」
ミハイル「政府の責任だといいたいのか」
店主「いえ、そんな…」
ミハイル「王室批判か」
店主「ですかに私はなにも…」
ミハイル「国王批判か!平民のぶんざいで不敬なことをぬかすとただではすまさんぞ!」
店主「なんにも言ってませんよー!」
チコ「殿下、いじめちゃかわいそうですよ。」
ミハイル「ふんっ」
店主「それでですね。」
ミハイル「おっ、立ち直りが早いな」
店主「おかげさまで、そんなことはどうでもよろしい。ごらんの通りこの倉庫はドアがひとつあるだけで窓もありません。そして、ドアの鍵は一本だけで私が肌身はなさず持っています。しかも鍵は特別あつらえで、ちょっとやそっとでは開けられません。なのにダンボールは消えてしまった。なぜでしょう」
ミハイル「ふーむ……ちかごろ変わったことはなかったか?」
店主「そうですね。そういえばこのあいだエメラダ小学校の子供たちが来ました。」
ミハイル「えっ、なにしに?」
店主「どこかの国で地震が起きて多くの人が服がなくて困ってる、だから倉庫にあるシャツとジーンズを寄付してもらえないかといわれたのですが」
ミハイル「ずいぶん大胆なことをいってきたものだな」
店主「子供らしいっちゃ子供らしいですけどね」
チコ「それでどうしたんですか?」
店主「はい、とうぜんですが売り物ですからそんなことはできないと断ったらスゴスゴ帰っていきました」
ミハイル「他には?」
店主「思い当たることはありません」
ミハイル「うーむ……宮殿に戻って考えてみよう。」
チコ「わかりました。」
店主「よろしくお願いします。」
宮殿に戻って日が隠れて、月が上りだすほど時間が経った頃……
ムーン1「殿下は?」
チコ「考え込んでますよ。パイプをくわえながら推理してるみたいです。」
ムーン1「パイプだとーー!?おい、ほっといていいのか!」
チコ「いえ、だから、ビニールパイプ」
ミハイル「すこー……すこー……」
ムーン1「なんの意味があるんだー!」