ー日常ー街の住人達【8】
ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー
ミハイル「だいたいそんな事件のどこに名探偵の出番があるんだ。」
ムーン1「あるんです」
ミハイル「えっ?」
ムーン1「密室なんですよ。」
殿下は布団から飛び起きて叫んだ。
ミハイル「それを早く言え!大ごちそうの殺人事件に比べたらいささか物足りないが、しかし密室ならごちそうとまではいかなくても茶碗蒸し付きのサンマ開き定食ぐらいの価値はある。」
チコ「わかりにくいですね。」
ミハイル「えっそうか?ホッケ開き定食の方が」
チコ「そこでなくて、例えがわかりにくいんです。」
ミハイル「そうかなあ。そもそも定食とはメインのおかずとご飯と味噌汁と……」
チコ「どうもかみ合わないなぁ」
ムーン1「とにかく現場にいきませんか?」
ミハイル「うむ、そうだな。お前もついてこい」
チコ「はぁ…」
宮殿を出て、エメラダ銀座へと足を運び「メリーアン」という店の前までやってきた。
ミハイル「ああ、この店か」
ムーン1「ご存知でしたか」
ミハイル「僕は商店街の会合によく顔を出してるんだ。」
ガラスのドアを押してはいると店主らしき髭づらの初老の男が居た。
店主「あっ殿下」
ミハイル「盗難事件だそうだな。」
店主「はい裏手の倉庫で」
ミハイル「案内しろ」
店の裏手にはそこそこ大きめの倉庫があった。ただ作り自体はシンプルで雑に言えば立派なプレハブのような作りだ。
店主「この中にシャツとジーンズを詰めた段ボールが12箱はいっていたのです。」
ミハイル「段ボールの大きさは?」
店主は身振り手振りで伝えてくる。
店主「これぐらいでけっこう大きいです。ゆうべ店を閉めるとき中を見て段ボールがちゃんとあるのを確かめてから鍵をかけました。で、今朝倉庫の鍵を開けたら……段ボールがなくなっていたのです。」
ミハイル「食ったのか」
店主「ええ、わさび醤油とマヨネーズで」
店主「クックックッ」
チコ「おや、なにを笑ってるんです?」
店主「泣いとるんじゃ!殿下の気の抜けたギャグに思わず乗ってしまった自分が情けなくて!」
チコ「殿下、罪つくりですね。」
ミハイル「それはともかく。倉庫の中を見てみよう。」
チコ「(こたえないなー)」
店主に倉庫の鍵を開けてもらって中を見せてもらうことにした。すこし埃っぽくてだだっ広く、点々と荷物が置かれていた。
ミハイル「だいたいそんな事件のどこに名探偵の出番があるんだ。」
ムーン1「あるんです」
ミハイル「えっ?」
ムーン1「密室なんですよ。」
殿下は布団から飛び起きて叫んだ。
ミハイル「それを早く言え!大ごちそうの殺人事件に比べたらいささか物足りないが、しかし密室ならごちそうとまではいかなくても茶碗蒸し付きのサンマ開き定食ぐらいの価値はある。」
チコ「わかりにくいですね。」
ミハイル「えっそうか?ホッケ開き定食の方が」
チコ「そこでなくて、例えがわかりにくいんです。」
ミハイル「そうかなあ。そもそも定食とはメインのおかずとご飯と味噌汁と……」
チコ「どうもかみ合わないなぁ」
ムーン1「とにかく現場にいきませんか?」
ミハイル「うむ、そうだな。お前もついてこい」
チコ「はぁ…」
宮殿を出て、エメラダ銀座へと足を運び「メリーアン」という店の前までやってきた。
ミハイル「ああ、この店か」
ムーン1「ご存知でしたか」
ミハイル「僕は商店街の会合によく顔を出してるんだ。」
ガラスのドアを押してはいると店主らしき髭づらの初老の男が居た。
店主「あっ殿下」
ミハイル「盗難事件だそうだな。」
店主「はい裏手の倉庫で」
ミハイル「案内しろ」
店の裏手にはそこそこ大きめの倉庫があった。ただ作り自体はシンプルで雑に言えば立派なプレハブのような作りだ。
店主「この中にシャツとジーンズを詰めた段ボールが12箱はいっていたのです。」
ミハイル「段ボールの大きさは?」
店主は身振り手振りで伝えてくる。
店主「これぐらいでけっこう大きいです。ゆうべ店を閉めるとき中を見て段ボールがちゃんとあるのを確かめてから鍵をかけました。で、今朝倉庫の鍵を開けたら……段ボールがなくなっていたのです。」
ミハイル「食ったのか」
店主「ええ、わさび醤油とマヨネーズで」
店主「クックックッ」
チコ「おや、なにを笑ってるんです?」
店主「泣いとるんじゃ!殿下の気の抜けたギャグに思わず乗ってしまった自分が情けなくて!」
チコ「殿下、罪つくりですね。」
ミハイル「それはともかく。倉庫の中を見てみよう。」
チコ「(こたえないなー)」
店主に倉庫の鍵を開けてもらって中を見せてもらうことにした。すこし埃っぽくてだだっ広く、点々と荷物が置かれていた。