ー日常ー街の住人達【8】
ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー
ミハイル「まったく!どいつもこいつも役に立たない!もういい、僕が作る!」
チコ「ええ…それはそれで心配なんですが……。」
もはや人の声も耳に入らない状態の殿下は自室に数時間こもった。時おりトントン、カンカンとなぜか物を叩く音が聞こえてきたりした。
ミハイル「できた」
チコ「器用ですね。」
ミハイル「なにがだ」
チコ「トントンカンカンで入浴剤をつくっちゃうんだから」
ミハイル「当然だ。さぁ、みてろ。」
湯を張った大きなタライに殿下特製の入浴剤を散らした。湯に色がついてほわほわと湯気にのって香りが広がってくる。
ムーン1「おお、イイ匂いだ」
ムーン4「あれっ?」
ムーン8「でも……」
チコ「殿下これってゆずの入浴剤じゃありませんか?」
ミハイル「そうだ」
チコ「よくある香りですよ。目新しくもなんともないですけど」
ミハイル「ほら、よく聞いてみろ。」
「見て」ではなく「聞いてみろ」といわれてしばらくするとお湯の中から何か音が聞こえてきた。
チコ「お湯の中から音楽が!」
ムーン2「どこかで聞いたような音楽だな」
ミハイル「だから、ゆずだ。マイクロカプセルに閉じ込めたゆずの音楽がお湯でとけて流れだしているんだ。どうだ、こんな入浴剤はまだあるまい」
ムーン4「確かに目新しい!」
ムーン6「さすがは殿下!」
ミハイル「ワッハッハッ!自分でも面白い物ができたと思ってる。これを商品にしたら売れるんじゃないかと思うんだが。」
ムーン3「きっと売れますよ!楽しいですもん!」
ムーン6「僕たちも買います。いくらぐらいですか?」
ミハイル「音楽カプセルを閉じ込めるにはものすごく高度な技術が必要なんだ。だから入浴剤の一回分が……5万円かな」
「「「5万円!?」」」
チコ「あの、いいですか?」
ミハイル「なんだ?」
チコ「技術としては凄いですけど……ゆずの音楽をダウンロードして、市販のゆずの入浴剤をお風呂に入れれば、その入浴剤と同じ効果がすごく安く手に入ります。誰が5万円も払いますか。」
ミハイル「……なんてこった!!」
ムーン1「気がついてないところが殿下らしい…」
ミハイル「せっかく大儲けができると思ったのに……どうして人の夢をこわすことをいうんだーー!」
チコ「きゃーー!八つ当たりーー!」
ミハイル「まったく!どいつもこいつも役に立たない!もういい、僕が作る!」
チコ「ええ…それはそれで心配なんですが……。」
もはや人の声も耳に入らない状態の殿下は自室に数時間こもった。時おりトントン、カンカンとなぜか物を叩く音が聞こえてきたりした。
ミハイル「できた」
チコ「器用ですね。」
ミハイル「なにがだ」
チコ「トントンカンカンで入浴剤をつくっちゃうんだから」
ミハイル「当然だ。さぁ、みてろ。」
湯を張った大きなタライに殿下特製の入浴剤を散らした。湯に色がついてほわほわと湯気にのって香りが広がってくる。
ムーン1「おお、イイ匂いだ」
ムーン4「あれっ?」
ムーン8「でも……」
チコ「殿下これってゆずの入浴剤じゃありませんか?」
ミハイル「そうだ」
チコ「よくある香りですよ。目新しくもなんともないですけど」
ミハイル「ほら、よく聞いてみろ。」
「見て」ではなく「聞いてみろ」といわれてしばらくするとお湯の中から何か音が聞こえてきた。
チコ「お湯の中から音楽が!」
ムーン2「どこかで聞いたような音楽だな」
ミハイル「だから、ゆずだ。マイクロカプセルに閉じ込めたゆずの音楽がお湯でとけて流れだしているんだ。どうだ、こんな入浴剤はまだあるまい」
ムーン4「確かに目新しい!」
ムーン6「さすがは殿下!」
ミハイル「ワッハッハッ!自分でも面白い物ができたと思ってる。これを商品にしたら売れるんじゃないかと思うんだが。」
ムーン3「きっと売れますよ!楽しいですもん!」
ムーン6「僕たちも買います。いくらぐらいですか?」
ミハイル「音楽カプセルを閉じ込めるにはものすごく高度な技術が必要なんだ。だから入浴剤の一回分が……5万円かな」
「「「5万円!?」」」
チコ「あの、いいですか?」
ミハイル「なんだ?」
チコ「技術としては凄いですけど……ゆずの音楽をダウンロードして、市販のゆずの入浴剤をお風呂に入れれば、その入浴剤と同じ効果がすごく安く手に入ります。誰が5万円も払いますか。」
ミハイル「……なんてこった!!」
ムーン1「気がついてないところが殿下らしい…」
ミハイル「せっかく大儲けができると思ったのに……どうして人の夢をこわすことをいうんだーー!」
チコ「きゃーー!八つ当たりーー!」