ー日常ー街の住人達【8】
ー東京:スーパーポップー
翌日、件のスーパーに足を運び松本さんを訪ねたのだったが……。
店長「彼女なら休みだよ。お子さんが熱を出したそうだ。」
昨日のあらましを説明してマリアはいった。
マリア「ということなので、家を教えていただけますか?」
それを聞いた店長さんは親切な人なのだろう、わざわざ外に出て道順を教えてくれた。
店長「ここをこういって…」
マリア「はあはあ次の角を右に左折して大きく曲がりながら道なりに……」
説明を受けていると向こうから一台のオートバイが近づいてきた。
店長「むっ」
バイクの男「フンッ!」
オートバイの運転手は店長の顔を見るなりフンッと鼻を鳴らして走り抜けていった。
マリア「誰です、あの傍若無人な人相と態度の人は」
店長「マルカンスーパーの店長だよ」
マリア「ああ、百メートルほど先にある」
店長「松本君は実に優秀でね。それまで毎月二百万円以上の万引き被害があったのだが」
マリア「にひゃくまんえん?!」
店長「彼女が働くようになってから1/10以下に減ったんだ。」
マリア「それはすごい」
店長「ところが、その分マルカンの被害が増えてね。うちの万引きを押し付けられたと逆恨みしてるんだよ。あの店長は……。」
そういってため息をつくポップの店長、どうやらマルカンの店長は顔も悪いけど性格も悪いらしい。
~~
そんなことは置いといて、当初の目的である松本さんの住むアパートへとやってきたのだが、その名前が「オンボロ荘」。言っては何だが名前どおりぼろっちいアパートだ。
足をかけるたびにギシギシと音を立てる階段を上がって「松本」と表札のかかっているドアをノックした。
松本「はい?あら、アナタは昨日の」
マリア「突然失礼します。お店でうかがってきたんです。おかげさまで万引き犯にならずに済みました。これは、ほんのお礼の気持ちです。」
お菓子の包みをさしだした。
松本「まぁ、そんなことしてくれなくてもいいのに。あがってちょうだい。お茶でも入れましょう。」
ドアの隙間から中をチラッと除くと、部屋の造りは1LDK、熱が出ている娘さんが横になっている。それと目についたのは小さなテーブルに飾られている男性の遺影だ。
マリア「いえ…仕事がありますから、本当にありがとうございました。」
松本「そう?かえって気を使わせてしまったわね。」
帰り道すがら、おマリは考えていた。それにしても殺風景な部屋だった。あの遺影はご主人だろうか……。
マリア「イエイ、言ってみただけ」
翌日、件のスーパーに足を運び松本さんを訪ねたのだったが……。
店長「彼女なら休みだよ。お子さんが熱を出したそうだ。」
昨日のあらましを説明してマリアはいった。
マリア「ということなので、家を教えていただけますか?」
それを聞いた店長さんは親切な人なのだろう、わざわざ外に出て道順を教えてくれた。
店長「ここをこういって…」
マリア「はあはあ次の角を右に左折して大きく曲がりながら道なりに……」
説明を受けていると向こうから一台のオートバイが近づいてきた。
店長「むっ」
バイクの男「フンッ!」
オートバイの運転手は店長の顔を見るなりフンッと鼻を鳴らして走り抜けていった。
マリア「誰です、あの傍若無人な人相と態度の人は」
店長「マルカンスーパーの店長だよ」
マリア「ああ、百メートルほど先にある」
店長「松本君は実に優秀でね。それまで毎月二百万円以上の万引き被害があったのだが」
マリア「にひゃくまんえん?!」
店長「彼女が働くようになってから1/10以下に減ったんだ。」
マリア「それはすごい」
店長「ところが、その分マルカンの被害が増えてね。うちの万引きを押し付けられたと逆恨みしてるんだよ。あの店長は……。」
そういってため息をつくポップの店長、どうやらマルカンの店長は顔も悪いけど性格も悪いらしい。
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そんなことは置いといて、当初の目的である松本さんの住むアパートへとやってきたのだが、その名前が「オンボロ荘」。言っては何だが名前どおりぼろっちいアパートだ。
足をかけるたびにギシギシと音を立てる階段を上がって「松本」と表札のかかっているドアをノックした。
松本「はい?あら、アナタは昨日の」
マリア「突然失礼します。お店でうかがってきたんです。おかげさまで万引き犯にならずに済みました。これは、ほんのお礼の気持ちです。」
お菓子の包みをさしだした。
松本「まぁ、そんなことしてくれなくてもいいのに。あがってちょうだい。お茶でも入れましょう。」
ドアの隙間から中をチラッと除くと、部屋の造りは1LDK、熱が出ている娘さんが横になっている。それと目についたのは小さなテーブルに飾られている男性の遺影だ。
マリア「いえ…仕事がありますから、本当にありがとうございました。」
松本「そう?かえって気を使わせてしまったわね。」
帰り道すがら、おマリは考えていた。それにしても殺風景な部屋だった。あの遺影はご主人だろうか……。
マリア「イエイ、言ってみただけ」