ー日常ー街の住人達

ー池袋:ビアガーデンー

悠「なんでだ……なんで焼きそばがない……」

崇「コスパの問題じゃないか?」

拳二「他に何でもあるだろうが」

悠「おれは焼きそばが食べたいんだよ!」

後楽「ミートスパならあったぜ?」

悠「焼きそばじゃないだろ!」

凍夜「彼って焼きそばマニアなの?」

京「さぁ」

悠「仕方ない冷ややっこと厚揚げの香味ソースと枝豆食べよう」

拳二「どれだけ豆好きだ」

悠「大豆は畑の肉というだろ」

後楽「肉食えばよくね?」

悠「黙れ生臭坊主」

後楽「感謝をこめて食べてるから問題なしだ」

拳二「ボウズってそういうもんなのか?」

凍夜「いやー詳しくないんでどうかは知らないですけどねぇ。でも、非課税が多いし儲けはそりゃ多いんじゃないですか?」

拳二「マジか」

凍夜「宗教法人にはたしかに税金面での優遇はあるようですが、基本的に、その寺ひとつで宗教法人の名義をとっているわけでなく、いわゆる元締めのような「本山」があり、檀家の数にしたがって上納金のようなものを納めているそうですよ。それで本山は、そういうのをもらう代わりに、自分の宗派のお寺があんまりあくどいことをやらないよう、品格を保つように監視、指導するタテマエのようですが、そのため、檀家の少ないお寺さんはかなり苦しかったりするようです。ちなみに、あくどいことをやって本山にバレれば、破門されてしまい、宗教法人としての資格を失ってしまうってわけです」

拳二「なんだ、ヤクザと代わりねーじゃねーか」

悠「お前がそういうこと言いだすなよ。」

崇「向こうが相手にしているのは生きた人間じゃなく、死んだ人間とその後だ。ヤクザの生業とは違う。」

拳二「そんなこといったら王はどうなるよ」

悠「死体売買屋と葬儀を混同すんなよ」

白嶺「結局、儲かるんですか?」

凍夜「全部が全部じゃないけれど、俺の知ってるお寺は最近檀家が急激に増えて1500軒ほどになったそうだよ。それで、檀家の多い今のうちに寺を改修することになって、一軒当たり20万の強制寄付をして。20×1500で3億円。また自発寄付も結構あって1億以上集まったようだよ。合計で4億です。すごいよねー。」

拳二「そういわれたらよくわかった、つまり檀家が多ければ、沢山儲かるってことか。」

京「よく分からないけど……だったら後楽はお金持なのか?」

後楽「いやいや、おじさんは自分のお寺もなかったら檀家でもないからなー。兄ちゃんに養ってもらってるよ」

悠「おい、そこにある鉄串とってくれブッ刺すから」

後楽「ははっは、串なんてじゃなくてちゃんと肉の着いてるのを食べるといいよ。ほら、ニンニクの丸焼き」

悠「いらんわ!」

白嶺「そもそも肉がついてないですよね。」

後楽「いや、ほらニンニク食って、そのあと女の肉を戴くのが兄ちゃんの食事かなって」

悠「よし、背中焼いてジョロギア塗り込んでやる。」

後楽「虐待反対」

崇「女の肉をいただくかある意味言い得てるんじゃないか?」

拳二「いやぁ……この嬢ちゃんはダメだろ」

京「?」

凍夜「子供の作り方を理解しているかから聞いていかないとダメっぽいかな」

白嶺「セクハラです」

凍夜「お酒の席の冗談でことひとつ」

白嶺「セクハラです」
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