ー日常ー街の住人達【8】

ー中学校ー

マリアの話を聞くと生徒たちは口々に安どの声を漏らす。

マリア「えーと、皆さんの反応がよくわからないのですが」

男子生徒「えっなにが?」

マリア「教室では孤立しているように見えたぼっちゃまに対してずいぶん好意的というかなんというか……」

女子生徒「あたりまえじゃないあたしたちみっくんのこと大好きだもの」

男子生徒「そうとも俺たちの親友だよ」

マリア「どういう?」

女子生徒「だから、この辺りは學校が少ないからあたしたち小学校からずーっと一緒なのよ。」

男子生徒「そう、うちら2学年のおよそ百三十人小学校から入れ代わり立ち代わり同級生。だから知ってるんだ。みきおがほんとは凄くいいやつだってね。」

マリア「……」

「小学校の生き物係だったときウサギたちみっくんに一番なついてたわ」

「病気で休んだ時、授業の内容をわざわざ教えに来てくれた」

「何か困ったことがあると自分の事のように心配してくれるのもみきおだったな。」

「俺、ずいぶんみきおに助けられたよ」

マリア「(ああ、この言葉を坊ちゃまに聞かせられたら……)」

女子生徒「でも、2年ほど前お父さんが亡くなって……それからお母さんが変わっちゃったのよね。」

男子生徒「うん、普通のおばさんだっのに、お金のガリガリ亡者みたいになっちゃって……゛けど分からなくはないんだ」

マリア「というと?」

男子生徒「これから女手ひとつてみきおを育てなくちゃいけない、そのために一円でも多くお金を稼がなくちゃならないと思ってるんだ。」

女子生徒「人に迷惑をかけるのは問題だけど」

男子生徒「でも、気持ちはわかるんだよな。俺たちでも想像がつくぐらいだから、もちろん、みきおもお母さんの気持ちはわかってる。だから、お母さんの味方をしているんだ。」

女子生徒「優しいみっくんだもの學校を困らせたりするのは、いやだなと絶対に心の中で思ってるはず。」

男子生徒「でも口には出せないなぜなら、そんなことをしたらお母さんがひとりぼっちになるから自分だけは最後まで、お母さんの味方でいようと決めてるから」

女子生徒「だから今はあたしたちとも距離をおいてるけど」

男子生徒「いつか必ずオレたちの仲間に戻ってきてくれると信じてる。だってみきおは友達だから!」

女子生徒「あたしたち二学年全員、みっくんが大好きだから!」

マリア「おぉ…。」

百三十人分の想い……本当にぼっちゃまに届いたならどれほど……。
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