ー日常ー街の住人達【7】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

いつも金儲けかひとが破滅するに十分なイタズラを考えながら宮殿内を闊歩しているミハイルですが、視界にあるものが入ると身を隠した。

グレームーン「……」

そうエメラダに戻ってきたグレームーンである。

ほんの少しだけ身を乗り出して奴の姿を再度確認する。

ミハイル「あれ?」

グレームーン「なぜ隠れるんです。」

忽然と姿を消した相手に背後に回られる。ミハイルをもってしても一枚上手なのだ。

ミハイル「だだだ誰がかかか隠れてーーー!」

そう叫んで逃げ出す始末である。

グレームーン「逃げた。怪しいな……。」


~~


逃げて逃げて、ミハイルは宮殿の隅でようやく落ち着いた。

当然、逃げているということは首を突っこまれたくないことがあるということで……前回のことを考えると、バレてしまえばえらいことになる。できるだけ会わない方がいいと考えていたのだ。

そして辺りを警戒しつつ携帯を抜いた。次々に電話をかけていく。

ミハイル「もしもし支配人。僕だ、あれはどうなってる。そうか、そのうち集金に行く。……もしもし大臣、エメラダ国王です。来週辺りに例の件でうかがいますのでよろしく。」

しかし、怪しさの塊を逃がすわけもなく……。

グレームーン「支配人?大臣?なにかたくらんでいるのは間違いないようだが……。平行していくつも進めてるのかもしれない……。だとすると、いちいち調べるのはやっかいだ。どうする……よし、本人に白状させよう。」


~三日後~


ゴキブリのようにカサカサ、コソコソコとミハイルは逃げ回りながら生活していた。

ミハイル「国王がだナ、なんでグレームーンに会わないようにこんなコソコソしなくちゃならないんだ。なんだかなー。」

天井から飛び降りて執務室に逃げ込もうとドアを開けると見知らぬ男が居た。ミハイルといえども人の子(恐らく)、驚き身体が一瞬硬直してしまう。

スーツの男はミハイルに指を向けて大きくひと言叫んだ。

「喝!」


~次の日~


チコ「皆さん!会議室のホワイトボード見ましたか!!」

ムーン1「ホワイトボード?」

ムーン2「なんのこと?」

チコ「誰かが殿下の悪事をぶちまけてるんです!」

「「なんだとーー!!」」

駆け足で会議室に向かうとチコの言う通りホワイトボードにはぎっしりと殿下の悪事が書き留められていた。
99/100ページ
スキ