ー日常ー街の住人達【7】

ー東京広尾:ビストロ温泉-

ところが、一日たち二日たち一週間も経つ頃になると、店の中は怪異だらけで足の踏み場もなくなるほどにあふれかえってしまった。

お熊「ちょっとー!これじゃXより先に、あたしたちが参っちゃうわよ!!」

マリア「この状況は想定していなかったなぁ。」

転太「おマリ!落ち着い取らんでなんとかせい!」

マリア「なんとかって?」

転太「早いとこXと交渉して事態を決着させるんだ!これ以上、こんなもの達との同居が続いたら息が詰まって死んでしまうわ!」

マリア「まだです!有利に交渉を進めるためには、Xが音をあげるまで我慢しなくてはなりません!もう少しの辛抱です!」

転太「辛抱って、おまえ金と命とどっちが大事なんじゃ!」

マリア「お金に決まってるでしょう!」

「「だめだこりゃっ!!」」

ボランティア神「ふむ、この鯛茶漬けというのはいけるのう。」

ちなみに怪異だらけの空間で窮屈以外の害がないのはボランティア神が居るからであるが、もちろんそれ以外のことに力は貸してくれていない。

弁護神「わーーっ!とうとうXが本気で怒りだしました!皆さんを連れて来いといっています!!」

急に弁護神が現れたと思うとマリアたちは異世界かどこかへワープした。

「いい加減にしろっ!」

マリア「きさまがXか!」

ダイオキ神「ちゃんとダイオキ神という名があるが、名前なぞ、どうでもいい!おまえがマリアとかいう交渉相手か!人間のぶんざいで、なぜオレの商売の邪魔をする!おまえなど抹殺するのは簡単なのだぞ!」

ボランティア神「ハッタリじゃ」

ダイオキ神「あなたは!」

ボランティア神「神たるみで天帝のつくりたまいし人間を殺めるようなことがあれば、そのものは瞬時に破滅する。」

マリア「でしょうね。簡単に殺せるなら、とっくに殺されていたと思います。」

ボランティア神「君、人間にしては物分かりがイイね。」

ダイオキ神「どうやって怪異を封じているか、不思議だったが…そうか、あなたが…うかがおう。長老格のあなたがなぜコヤツに力を貸すのです。」

ボランティア神「最近ワシが人間相手にボランティアをやっとるのはしってるな。」

ダイオキ神「ええ、まあ」

ボランティア神「人間を慈しむことこそ天帝の自愛の具現であると、改めて気がついたからじゃ。この少女はすばらしい慈善家なので協力しておるわけじゃ。」
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