ー日常ー街の住人達【7】

ー東京広尾:ビストロ温泉-

マリア「兵糧攻めだ!その手があった!!」

お熊「おマリちゃんどういうこと?!」

マリア「怪奇を断つんです!」

「「ええっ?!」」

マリア「怪奇現象を封じ込めてXの手に入らなくするんです!仕入れる怪奇がなくなれば商売ができないから、Xも交渉のテーブルに着かざるを得ない!!よし、この手です!」

お熊「いやいや、ちょっと待っておマリちゃん!」

転太「怪奇を封じるってどうやって!」

マリア「それをお二人に相談したい。」

転太「わしらに相談されても」

お熊「ねぇ…」

マリア「二人とも!何を言ってるんです!一千万がかかってるんだからもっと真面目に考えてください!」

転太「まず、金ありき、か。守銭奴の理論だな。」

お熊「怪奇を断つなんて人間技で、できっこないわよ。別の神様にでも相談したら?」

マリア「それだー!!」

転太「お熊ー!!アホかお前は!Xとか弁護神だけどもウンザリしとるのにこのうえ別の神様が出てきたら、どんなやっかいなことになるか!」

お熊「ああ、ついうっかり!」

マリア「弁護神!」

弁護神「呼ばれて飛び出て、なんですか。今食事中なのですが」

マリア「おや、なにを食べていらっしゃる?」

弁護神「お昼に鯛茶漬けをね」

マリア「さすが神様いいもの食べてますね。」

弁護神「いえいえ」

転太「いや、ポイントはどうして神様が茶漬けなんぞを食っとるかだと思うが」

おマリは思いついた手段を弁護神にいった。

弁護神「怪奇を断つ、ふーむ……。あまり意味があるとは思えません。なぜなら別の神様に頼めば、その神様も報酬を要求するでしょうから、結局はもうかりませんよ。」

転太「地獄の沙汰だけでなく、神様も金次第か」

お熊「なんだか、幻滅だわね。」

マリア「怪奇を封じるというアイディアは?」

弁護神「アイディアはいいと思います。」

マリア「私たちのために喜んで働いてくれて、しかもお金を欲しがらない奇特な神様はいませんか?」

転太「守銭奴ならではだな。普通の人間はあんな厚かましいことは考えない。」

お熊「いるわけないじゃない。」

弁護神「います。」

「「いるんかいっ!!」」

弁護神「以前は、色んな役目についておられた長老格の方ですが、現在はリタイアされ人間を無償で助けるのが趣味というボランティア神がお一柱(ひとり)います。たまたまおとなりなので、頼んでみましょうか?」

マリア「ぜひお願いします!」
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