ｰ東京広尾:ビストロ温泉-

怪異を一網打尽にするとんでもアイディアに唸る山坂をしり目におマリいった。

マリア「違います」

転太「ゑっ?!」

マリア「最終的には、その方向へ持っていくつもりですが当座は違います。」

お熊「というと?」

マリア「いいですか、その神様は……便宜上、神様X(エックス)と呼ぶことにしますが、そのXは、うちのお店から無断で怪奇現象を持ちだしてるんです。」

お熊「まあね、でもそのおかげで、いくぶん助かってるわ」

マリア「甘い、甘い甘い甘い甘い甘い、甘すぎる!!」

お熊「えぇっ?!」

マリア「うちのお店に集まってくる以上怪奇現象の所有権は我が店にあります!それを勝手に横流しされて、だまってるんですか!あまつさえXはそれをつかって金儲けをしてるんです、なのに我々にはひとことの挨拶もなし!こんな非道が許されるでしょうか!!」

お熊「なにがいいたいの!」

マリア「Xにかけあって怪奇現象の対価を支払わせるべきです!」

「「なんじゃとて?!」」

転太「おマリ正気か!」

マリア「至って正気です!!Xは我々の財産を横領して金儲けをしてるんですよ!くやしくないんですか!」

お熊「財産?横領?」

お忘れかもしれませんがおマリこと夢前マリアの本質はド守銭奴です。

自分が儲けたいのはもちろんですが、それより他人にもうけられるのが耐えられない体質です。

マリア「いっちょがみしないことには気がおさまらないー!!」

転太「おマリ!!落ち着かんか!!相手は怪奇現象を自在に操ったり、半神をしたがわせたりする実力者じゃぞ!そんな奴に、どうやって対価を払わせるつもりじゃ!」

マリア「それを相談に来たんじゃありませんか」

転太「あうっ☆……って、無理じゃ!わしはただの通りすがりの怪奇調査官じゃ!!」

お熊「おマリちゃん、山坂さんの言う通りよ。これが怪奇現象を全部持っていってくれと頼むなら、今現にやってることだから聞いてくれるかもだけど、逆にあなたがお金大好き神様だったとして、なんの実力もない人間にお金を祓えといわれて素直に払うかしら」

マリア「ぐっ……う～ん、う～～ん……守銭奴は性質が悪いからなぁ。」

お熊「きっと向こうも同じことを考えると思うわ。」

マリア「どうしたら、神様から、オゼゼを取りたてられるか、むむむっ」

おマリは必死に必死に考えました。