ー日常ー街の住人達

ー居酒屋:三日月ー

凍夜「どうもー」

凛「いらっしゃいませ。お好きなお席へ」

凍夜「お好きなお席でいいってさ」

白嶺「それじゃあ、カウンターでひとつ席を離して座りましょうか」

凍夜「それだったらせめてテーブルではす向かいに座ってくれないかなぁ」

白嶺「……冗談ですよ」

凍夜「若干間が有ったことを気にしないようにしとくね。」

拳二「お?おぉ、金貸しじゃねーか」

凍夜「おや……瓦谷さん。それに崇さんと……とらちー君」

寅「俺の通り名を「とらちー」とか「トランジスタ」とか「トラボルタ」で広めてるボケはどいつだ……」

「「「悠」」」

寅「だよな……聞いた俺が馬鹿だった。そして、タイミングを見つけてボコボコにしてやる。」

崇「そりゃあいい、そのときは呼べ。空いてて暇してたら見に行ってやる。」

拳二「お前に五百円かけてやるよ」

寅「せめて五百万にしろ」

凍夜「豪快な話しですねぇ。ちなみに先立つ者が必要なときはいつでもどうぞ」

拳二「こんなかでもし世話になるとしたらとらぼーしか居ぇけどな」

寅「とらちーだ!いや、とらちーでもねぇけど妙なのを増やすな!」

拳二「かっかっか、金貸しもこっち混ざるか?」

凍夜「え、あー……ヨミちゃん?」

白嶺「私はいいですよ。ちゃんとごちそうさえしていただければ」

凍夜「あはは……」

拳二「なんだぁ?祝い事か?」

凍夜「いえ……」

白嶺「職務怠慢過ぎなので私への謝罪と感謝ですね」

寅「ハッキリ言う女だな」

崇「否定してないということは事実なんだろ」

凍夜「職務怠慢だなんて、じめじめしてるでしょう?だから、スカッとするためにちょっとブラついてた……」

白嶺「ブラついてたらうっかりと集金を忘れたと……?」

凍夜「あはは。お姉さん、至急刺身のいいところを豪快にお願いします」

寅「どっちが偉いのか分かんないな、こりゃ」

凍夜「いやー、ヨミちゃんは優秀だからねぇ。ウチの管理のほとんどはヨミちゃんにしてもらってるんだよ」

白嶺「褒めるよりも、仕事してくださいね。」

崇「くくっ、優秀な女だな」

凍夜「いや、まったくホントに」

凛「お待たせしました。お刺身の船盛りです」

凍夜「わお……お姉さん本当にいいところを豪快に持ってきてくれた」

白嶺「いただきます」

崇「金のことは気にするな。このテーブルに乗った時点で拳二持ちだ」

拳二「あぁ?あー、まぁいいか」

凍夜「ひゅう!さっすがーお金持ちは違いますねー」

崇「総資産で考えたら……お前がぶっちぎりだろ」

凍夜「いやいや、ウチなんて零細企業ですよ」

寅「どうだかな……。」

凍夜「いや、ホントホント。金貸しなんて儲けがあるのは大手企業だけだよ。ウチみたいなところは……」

白嶺「きっちりと回収しなきゃいけないのに誰かさんはそれを忘れてしまいますからね。」

寅「ブーメランだな」

凍夜「うん、このお話しはやめましょう」
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