ー日常ー街の住人達【7】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

ミハイル「ムーンに僕が取り押さえられると思うか!!」

薬が詰まっている箱に手を突っ込んで薬をわしづかむと薬売りめがけて力いっぱい投げつけた。

散弾銃の弾のように飛び散った薬のひとつが薬売りの口に入り飲み込んでしまう。

薬売り『わーっ!?一粒飲んでしまった何を投げ込んだんだ!!』

ミハイル「知らんわい!」

薬売り『はっ、早く解毒剤を!わーなくなってる!?』

隠してあった解毒剤入りのピルケースを振るが中からは何も出てこない。

ミハイル「僕が飲んだのが最後だったらしいな。」

薬売り『ハハッ』

ミハイル「ん?」

薬売り『ハハハッ!』

ミハイル「笑い薬だったのか。」

薬売り『ハーッハハハッ!』

ミハイル「風呂屋に飛行機が落ちたってねえ。せんとう機だろう。」

薬売り『ぎゃひっひっ!』

ミハイル「月に向かってウンチを投げりゃこれがホントのウンのツキ」

薬売り『ギャーハッハッハッ!!い、息ができない!宇宙船に解毒剤のストックが……ハハハッ!!』

狂わんばかりに笑いながら薬売りは部屋から飛び出て外へと走り出した。

乗ってきた宇宙船まで死に物狂いでたどり着いたが、その前にはラジカセをもったミハイルが待機している。

ミハイル「……」

ラジカセのスイッチを入れると……

『小話その一、死後の世界の話をします。あのよー』

薬売り『ギャハハハハッ!!』

ミハイル「さあどうだ。薬を飲んだひと全員にいきわたるだけの解毒剤をよこさなければ、テープをかけ続けて笑い死にさせるぞ」

薬売り『わかったわかった解毒剤は船の中だ』

宇宙船の中を調べてみると自分が飲んだのと同じ薬を見つけた。

ミハイル「あったこれだな。」

薬売り『わ、わたしにも一錠…。』

ミハイル「地球から出て行って二度と戻ってこないと約束するならやってもいい」

薬売り『ひゃーヒヒヒッそんなご冗談をこんな宝の山を目の前にして!』

ミハイル「いやなら」

『小噺その二』

薬売り『わかったわかったーっ!』

解毒剤を受け取ると薬売りは宇宙船に乗ってすぐに飛び立った。

ミハイル「戻ってきたら承知しないぞ!!」

薬売り『ふんっ、何を言ってるんです。裏側に着陸してまた薬をばらまいてやりますよ……あら?どうして、操縦がきかない!?』

宇宙船は猛スピードで地球から宇宙の彼方へと飛び去って行った。

ミハイル「解毒剤と一緒に部品を2.3個失敬しておいたんだ。さて、これを世界中に配れば元通りになる……待てよ!そうすると僕は世界中のひとから感謝されることになるな!そうだ!僕は世界を危機から救ったヒーローなのだ!世界中に宣伝してノーベル平和賞をもらってやる!ワッハッハッ!」

その言葉通り自分の手柄と宣伝したところもとはといえばミハイルが意地汚くフグを食べたのが原因だとばれて、みんなに袋叩きにされたのでありました。

おあとがよろしいようで。
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