ー日常ー街の住人達【7】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

ミハイル「そうだな。やっぱり強すぎる薬には副作用があるんだ。」

チコ「すると薬を飲んだ他のひと達も……。」


ミハイルたちの想像した通り、各所で副作用が生じていた。

~~

学生「うわーっ!テストテストどこかでテストをやってないかー!答案用紙に答えを書いてないと右手がうずくー!!」

~~

元禿げ「毛が伸びすぎて止まらないー!」

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ミハイル「ムーンたちーーっ!!ただちに薬の販売を中止しろ!」

「「はあ?」」

ミハイル「はあじゃない!よく考えてみたらこの薬は凄く危険な代物なんだ!」

ムーン1「なして」

ミハイル「一度薬を飲んだら効果が死ぬまで続くからだ!走り始めたら止まらない眠り始めたら目を覚まさない!過ぎたるは及ばざるがごとしなのだ!!」

ムーン1「気にしない気にしない」

ムーン2「南米のある国から薬を飲んだら大統領になれたって礼状がきてましたよ。みんな喜んでるんだからいいじゃないですか」

ミハイル「それも危険な兆候だ!薬を飲めば何でもできるということになったら誰も努力をしなくなる!人間は堕落の一途をたどることになるぞ!」

ムーン1「子供のたわごとだ。ハハハッ」

ムーン2「薬の発想を続けよう」

ミハイル「お前ら!?」

チコ「いったい……」

薬売り『……』

ミハイル「ハッ、ムーンたちに何をした!?」

薬売り『別にただちょっと聞き分けの良くなる薬をね。』

ミハイル「何が狙いだ!」

薬売り『わたしは単なる薬の行商人です。薬をたくさん売りたいだけなんです。たくさん、たくさんね。世界中の人間が一種類ずつでも薬を買ってくれたらすごい商いになると思いませんか?』

ミハイル「ひと通り行き渡ったらどうするつもりだ。死ぬまで走り回ってる人間が、また別の薬を買うとは思えんが」

薬売り『そしたら他の星にいくまでです。』

ミハイル「そうか貴様!そうやって色んな星の生き物を食い物にして宇宙をさまよってるんだな!なんてひどい奴だ!貴様は人間じゃない!」

薬売り『それで?』

チコ「きゃっ!」

ミハイル「なに?!あっ!!」

いつの間にかムーンたちに囲まれていてミハイルとチコは取り押さえられてしまった。

薬売り『言うことを聞くようになる薬を飲ませなさい。』

ムーン1「これですね。」

ムーン2「素直に飲め!!」

力づくで薬を飲ませようとするムーンたちだったがミハイルは人間離れした動きで隙間を掻い潜って脱出した。
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