ー日常ー街の住人達【7】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

医者「くおらーーっ!!お前ら国王が生きるか死ぬかのせとぎわだというのに下らん冗談で笑ってていいのか!!」

ムーン1「あっ、すみません。殿下とつきあってるうちにものごとを真面目に考える能力がおとろえてしまって。」

チコ「するとこのままいったら殿下は危ないと?」

医者「そうです!」

ムーン2「冗談抜きで死ぬかもしれないと」

医者「そうですっ!!」

「「「たいへんだーー!!」」」

医者「やっと理解したか…」

緊急事態ということをようやく理解したムーンたちは情報管理室へと駆けこんだ。

情報管理員「殿下の様子は!?」

ムーン1「どうやら危ないらしい!」

情報管理員「ええっ!?」

ムーン1「各国の大使館に連絡してフグ中毒の特効薬がないかどうか調べさせろ!医者は薬なんかないといっていたが世界は広いんだ漢方薬とかチベットの秘薬とかなんとかがあるかもしれない!」

すぐさま各国へと電波が飛び交った。

『タンザニア大使館です。こちらではフグなんか食べないから解毒剤もありません!』

『モンゴワナ大使館です。フグとは何かと聞き返されました。』

『フランスにはありません!』

『デンマークにも!』

ムーン1「うがーっ薬がなければ殿下は死んでしまうかもしれないんだぞー!もっとよく探せーー!」

と、そのときだった、ミハイル山のふもとに得体の知れない機械が出現したのは。

チコ「たいへんです!殿下の心臓がとまりかけてます!!」

ムーン1「なっ!先生!!」

医者「もう手の打ちようがない。」

ムーン1「神様仏様アラーの使者でも何でもいいから殿下を助けてください!!」

『毒消し~』

チコ「待って。みなさん、なにか聞こえませんか?」

ムーン1「えっ?」

『毒消しゃいらんかね~~』

窓の外からそんな声が聞こえてきたのだ。

ムーン1「薬屋か!!」

薬売り『さようで~~何かご用は~』

ムーン1「フグの毒消しはあるか!?」

薬売り『はい~~』

薬売りは黒いピルケースを投げ込んできた。

ムーン1「ありがたい!」

医者「待てどうする気だ!」

ムーン1「決まってるじゃありませんか!殿下に飲ませるんです!」

医者「何を言うかそんなわけのわからん物をのませてはいかん!せめてまずは動物実験を!」

ムーン1「ええい、取り押さえてろ!」

「「はっ!」」

医者「うぐぐぐっ!」
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