ー日常ー街の住人達【7】
ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー
ある夜のエメラダ。
夜にもかかわらず慌ただしく廊下を走るムーンが何人もいた。
ムーン1「氷をもってきました!」
チコ「殿下の容態は?」
医者「静かに!」
ミハイル「うう~む、うう~む」
ベッドに伏せたミハイルは苦しそうに唸り声をあげている。
医者「まず今夜が峠でしょう」
ムーン1「そんな心細い」
チコ「さっきから見てると氷で頭を冷やしてるだけじゃないですか。他に打つ手はないんですか注射を打つとか電気マッサージするとか」
医者「殿下はフグの毒にあたったんですよ」
チコ「そうですよ」
医者「フグ中毒に電気マッサージをしてどうなるんです!そもそもフグに当たったらもう治療法はないんです!フグの毒を中和する薬品なんかないんですよ!!」
ムーン1「じゃあフグの中毒患者は……」
医者「たいてい死にます」
チコ「でも殿下は生きてますよ?」
医者「それが不思議なんです。殿下の生命力の強靭さは知ってますがその殿下ですら即死してもおかしくない量の毒を食べてるんです。なのに高熱が出てるだけで生き延びているから不思議不思議…」
ムーン444「医者に不思議がられるって何か怖いね。」
ムーン1「そんなに食べたのか?」
ムーン555「トラフグを20匹」
医者「一匹の毒で五百人殺せます」
チコ「なんでまたフグなんか」
ムーン444「昼間殿下と釣りにいったんです。そしたらフグしか釣れなかったんですが、殿下はお腹が減ったといって……」
ムーン555「やめた方がいいといったんですがその場でぺろりと」
チコ「焼いて食べたんですか?」
医者「煮ても焼いてもフグの毒は変化しません。」
ムーン555「生のまま頭から齧りました」
医者「問題外ですな」
チコ「ですよね!!」
医者「とにかく殿下の生体機能は異常です。熱が下がれば常識を無視して助かるかもしれませんが、このまま熱が続くようだとあるいは……」
ムーン1「あるいは?」
医者「万が一ということも……」
チコ「万が一というと?」
医者「覚悟しておいた方が……」
「「覚悟って?」」
医者「わからんひと達だな!死ぬかもしれないといってるんです!!」
「「死ぬ!?」」
「「殿下が?!」」
ムーン1「人間やめますか?殿下やめますか?」
「「「アハハハッ」」」
ある夜のエメラダ。
夜にもかかわらず慌ただしく廊下を走るムーンが何人もいた。
ムーン1「氷をもってきました!」
チコ「殿下の容態は?」
医者「静かに!」
ミハイル「うう~む、うう~む」
ベッドに伏せたミハイルは苦しそうに唸り声をあげている。
医者「まず今夜が峠でしょう」
ムーン1「そんな心細い」
チコ「さっきから見てると氷で頭を冷やしてるだけじゃないですか。他に打つ手はないんですか注射を打つとか電気マッサージするとか」
医者「殿下はフグの毒にあたったんですよ」
チコ「そうですよ」
医者「フグ中毒に電気マッサージをしてどうなるんです!そもそもフグに当たったらもう治療法はないんです!フグの毒を中和する薬品なんかないんですよ!!」
ムーン1「じゃあフグの中毒患者は……」
医者「たいてい死にます」
チコ「でも殿下は生きてますよ?」
医者「それが不思議なんです。殿下の生命力の強靭さは知ってますがその殿下ですら即死してもおかしくない量の毒を食べてるんです。なのに高熱が出てるだけで生き延びているから不思議不思議…」
ムーン444「医者に不思議がられるって何か怖いね。」
ムーン1「そんなに食べたのか?」
ムーン555「トラフグを20匹」
医者「一匹の毒で五百人殺せます」
チコ「なんでまたフグなんか」
ムーン444「昼間殿下と釣りにいったんです。そしたらフグしか釣れなかったんですが、殿下はお腹が減ったといって……」
ムーン555「やめた方がいいといったんですがその場でぺろりと」
チコ「焼いて食べたんですか?」
医者「煮ても焼いてもフグの毒は変化しません。」
ムーン555「生のまま頭から齧りました」
医者「問題外ですな」
チコ「ですよね!!」
医者「とにかく殿下の生体機能は異常です。熱が下がれば常識を無視して助かるかもしれませんが、このまま熱が続くようだとあるいは……」
ムーン1「あるいは?」
医者「万が一ということも……」
チコ「万が一というと?」
医者「覚悟しておいた方が……」
「「覚悟って?」」
医者「わからんひと達だな!死ぬかもしれないといってるんです!!」
「「死ぬ!?」」
「「殿下が?!」」
ムーン1「人間やめますか?殿下やめますか?」
「「「アハハハッ」」」