ー日常ー街の住人達【7】

ー洞窟の植物園(?)ー

ロック「大量生産って……そんなことしてどうするんだ?」

女「召使として売り出すそうです」

ロック「召使いい!?」

女「お給料はいらないし、食事はアナタが吹きだした園芸用の肥料を溶かしたスープだけでいいし、それに重労働でダメになっても安く手に入るから使い捨てができるし……」

ロック「おい…それじゃお前たちまるで奴隷じゃないか」

「「そうですね」」

ロック「そうですねってお前、奴隷なんかとして売り出されていいのか!」


男「しかたないです。だって僕たちは博士の研究室で作られた物なんですから」

ロック「たわけ!!たとえ研究室でつくられた物だろうともとが自然薯だろうが意思と感情を持っていれば立派な人間だわい!!」

男「でも…」

ロック「おれはなー!!俺は今まで悪いことをやってきたが奴隷商人の真似だけはしたことがない!そんなのは最悪最低の人間の屑のやることだ!」

「「……」」

ロック「よし来い!」

「「えっ!?」」

ロック「逃げるんだよ!!」

男「ええっ!?博士に見つかったら熔かされてしまう!」

ロック「そんな血も涙もないやつに義理立てすることは有るまい!」

女「でも、わたしたちは行くところなんか……」

ロック「お前たち二人ぐらい俺が面倒見てやる来るんだ!!」

「「!!」」


~~


決意をした三人は洞窟を抜けて山を下りて国境を越える算段で逃げ出した。

ロック「よーし、もう少しだ。この丘を越えればふもとに続く道に出るはずだ」

しかし、突如一発の銃声がこだました。ロックをかすめて岩に着弾する。

「いたぞクライマンだ!」

ロック「ちくしょう!なんてしつこい連中だ!まだ張ってやがったのか!!」

身を潜めると、警官たちの声が届いてくる。

「ガリガリという人物から通報があった通りクライマンが現れました。」

「よーし、散開して追い詰めろ!みつけしだい射殺して構わん!」

ロック「くそお…!よし、二手に分かれよう!」

女「えっ!?」

ロック「俺がやつらを引きつけてる間にお前たちは逃げるんだ」

男「ええっ!そんなことできません!」

ロック「連中が折ってるのは俺なんだ。お前たちだけでも逃げ延びろ!」

女「そんな!」

男「あなたを置いて逃げるなんて…」

ロック「分からん奴だな!捕まったら博士のところに連れ戻されちまうんだぞ!これももっていけ!」

クライマンは下げていたバッグを投げ渡した。
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