ー日常ー街の住人達【7】

ー洞窟の植物園(?)ー

ロック「警察に通報しようと考えてるなら」

拳銃にかかっている指がわずかに動く。

ガリガリ「待てというにわしもここでひとに知られたくない研究をしておるのだ。警察に知らせたりせん。それどころか人手が足りなくて困っておるのだ。よかったらわしの手伝いをせんかね?」

ロック「なに!?」

ガリガリ「どうせほとぼりがさめるまでどこかに身を隠さねばならんのじゃろう?ここにこんな研究所があることは誰も知らん。お互いにとって好都合な話だと思うが?」

ロック「アンタも後ろ暗いところがあるようだな。……いいだろう。ただし裏切ったら命は無いと思え。俺はいったことは必ず実行する男だ。」

脅しではない、のだがガリガリはどこ吹く風というう態度で愉快そうに笑った。

ガリガリ「ホッホッ」

女「お腹がすいてるそうです」

ガリガリ「おおそうか、ここには果物でも野菜でもたっぷりある。好きなだけ食べるといい。用意してお上げ。」

男「はい」


用意されたのはたくさんの果物を食べて一息つくとガリガリから早速仕事を言い渡された。

内容は生ごみの処理。おんぼろのトロッコいっぱいに袋詰めされたゴミを溶岩の滾っている竪穴に放り込む……という内容だった。

体力は使うものの楽な仕事だった。しかし、植物園でひとに知られたくない研究、大麻の栽培でもやっているのかもしれない。どっちにしても折を見て逃げようとロックは考えていた。

それから数日、働きつつ合間に出る食事の時間はじめにあった男女と話す機会も増えた。

ロック「また果物と野菜のスープか」

男「すいませんクライマンさんこんな物しかなくって」

ロック「まあいいさ。最初に食った変なものよりはな。そういえばまだオタクらの名前を聞いてなかったな」

「「……」」

男女は互いに顔を見合わせる。

ロック「言いたくなけりゃ別に構わんよ。別に働いてるようにも見えないがここで何をしてるんだ博士の親戚かなんかか?」

「「……」」

なぜか困ったような顔をするだけで返事がない。

ロック「よく似てるけど兄妹なのか?それぐらい教えてくれてもいいだろう。」

男「ま、まあ……そのようなものです」

っと、返事は何かつっかえがあるようなものだった。

ロックはそれ以上は踏み込まなかったがガリガリ博士とこの兄妹の関係も、研究とやらも得体が知れない。そんなものを感じていたのは確かだった。
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