ー日常ー街の住人達【7】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

ムーン1「殿下」

ミハイル「!!」

なぜか顔を見るや否やミハイルは逃げ出してしまう。

ムーン1「えっ!ま、まてー!」

ミハイル「わーーっ!」

ムーン1「くっ!このぉっ!!」

ものすごいスピードで逃げるミハイルめがけ投げ縄を仕掛けた。頭部にかかり縄を引っ張ると同時にポーンッと頭が取れた。

ギャーーッと悲鳴が上がる中、服の下からにゅっと本物の頭が出てくる。

ミハイル「バカめマネキンだ!」

このまま逃げ切りと思いきや、スコンッとあしが何かに引っかかり顔から地面へと落ちた。

チコ「なにをやってるんですか」

ミハイル「き、きさまなー!!国王に足を引っかけるとは何事だー!!」

ムーン1「それよりどうして逃げるんですっ!!」

ミハイル「どーして追いかけるんだ!」

ムーン1「殿下が逃げるから追いかけたんです!!」

ミハイル「僕はお前が追いかけるから逃げたんだー!わーーんっ!」

「なんだかわけがわかりません。」

チコ「殿下と付き合ってるとちょくちょくこういうことがあります。頭で理解しようとしても無駄なので殿下の行動パターンに慣れてください。」

そうチコが説明している面々の顔ぶれは見知らないものが三名。

ミハイル「なんだそいつらは」

ムーン1「陸軍から入った新入りのムーンです」

ムーン「今いろいろ教えてやってるところです。殿下、新入りにお言葉を」

ミハイル「うむ、あー……」

ムーン1「さっ、食堂へ案内しよう」

ミハイル「ちょっと待て」

ムーン「そうだ。番号を決めなくちゃいけない」

ミハイル「待てというのに!お言葉はどうするんだ!」

チコ「じゃあお言葉どうぞ」

ミハイル「お言葉」

ムーン1「ハイ終わり」

ミハイル「待てと言っとるだろうがー!!」

ムーン「あのままだと終わりがないから番号を決めよう」

新人ムーン「あの、番号って順番に決まっていくもんじゃないんですか?」

ムーン1「昔はそうだったが今の我が部隊では自分で決めていいんだ」

ムーン56億7千万の掌「かくいう私はムーン56億七千万の掌号だ。」

ミハイル「おまえか!わけのわからん番号をつけてるのは!!」

ムーン56億7千万の掌「いいじゃないですか今は個性の時代ですよ?番号にも独自性を持たせなくちゃいけない。ムーン1億号なんてどうだ?ハクがつくぞ」

ミハイル「つくかっ!!」
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