ー日常ー街の住人達【7】
ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー
ミハイル「しかしその秘密もだんだん隠しおおせなくなって父君のお葬式を出すことにしたわけだ。こんな場合のために遺体を冷凍しておいたのはクラーク君のアイディアだそうだが…」
チコ「あの二人は本当の夫婦でもないのに夫婦の真似をしてるわけでしょう。そっちの秘密がバレる可能性もありますね。」
ミハイル「おおいにある。」
ムーン1「いつもならリヒデルはお祭りの時期なのになぁ」
ムーン2「今年はやらないだろう国王が死んだんだから」
ミハイル「祭り……おい、ちょっと準備をしろ。」
「「はい?」」
~~
葬儀も済んで日常が戻り始めたリヒデル王国。
それでもアイシャ姫はひとり自室でふさぎ込む日が増えつつあった。そんな中、突如激しい太鼓に笛、楽器の音色が奏でられる。
アイシャ「なんのさわぎ!?」
突然の事にドアを開けて飛び出すと……
ミハイル「悲しみの王女様をなぐさめるためにミハイル一座がやってまいりましたー!!」
和洋折衷、ピエロに始まり曲芸師から法被姿の祭り男に舞踏会で着るようなドレス姿のダンサーまでアイシャ姫を囲んで騒ぎ始める。
クラーク「アイシャ!」
「どうしたんだ!」
騒ぎを聞きつけてクラークたちがやってくる。
ミハイル「ボケッとしとらんで国民にふれを出せ!悲しみに沈んでてもなくなった陛下は喜ばない!みんなで大いに騒ぐんだ!」
ピエロ「ばぁっ!」
アイシャ「きゃっ!」
チコ「どうぞアイシャ姫お楽しみください。飲み物もお菓子もありますよ。」
アイシャ姫の顔に久しぶりの笑顔が戻る。そのようすを遠巻きに見ていたクラークにミハイルが言った。
ミハイル「彼女に惚れてるだろう」
クラーク「えっ!?」
ミハイル「好きならなぜ自分のものにしようとしない?」
クラーク「なんだって!?彼女は弟の……!」
ミハイル「弟さんは死んだんだ。アイシャも悲しんでばかりいてはいけない彼女には頼れる人が必要なんだ。」
クラーク「……」
ミハイル「男一匹一国の王女をものにしてみちゃどうだ?」
クラーク「わたしが……」
ミハイル「そして彼女を幸せにしてやってくれ。」
クラーク「わかった…ありがとう。」
冠婚葬祭のうちの「祭」、本来は先祖をまつる儀式の事だが、この場合若い二人の門出の祭り。
ミハイル「しかしその秘密もだんだん隠しおおせなくなって父君のお葬式を出すことにしたわけだ。こんな場合のために遺体を冷凍しておいたのはクラーク君のアイディアだそうだが…」
チコ「あの二人は本当の夫婦でもないのに夫婦の真似をしてるわけでしょう。そっちの秘密がバレる可能性もありますね。」
ミハイル「おおいにある。」
ムーン1「いつもならリヒデルはお祭りの時期なのになぁ」
ムーン2「今年はやらないだろう国王が死んだんだから」
ミハイル「祭り……おい、ちょっと準備をしろ。」
「「はい?」」
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葬儀も済んで日常が戻り始めたリヒデル王国。
それでもアイシャ姫はひとり自室でふさぎ込む日が増えつつあった。そんな中、突如激しい太鼓に笛、楽器の音色が奏でられる。
アイシャ「なんのさわぎ!?」
突然の事にドアを開けて飛び出すと……
ミハイル「悲しみの王女様をなぐさめるためにミハイル一座がやってまいりましたー!!」
和洋折衷、ピエロに始まり曲芸師から法被姿の祭り男に舞踏会で着るようなドレス姿のダンサーまでアイシャ姫を囲んで騒ぎ始める。
クラーク「アイシャ!」
「どうしたんだ!」
騒ぎを聞きつけてクラークたちがやってくる。
ミハイル「ボケッとしとらんで国民にふれを出せ!悲しみに沈んでてもなくなった陛下は喜ばない!みんなで大いに騒ぐんだ!」
ピエロ「ばぁっ!」
アイシャ「きゃっ!」
チコ「どうぞアイシャ姫お楽しみください。飲み物もお菓子もありますよ。」
アイシャ姫の顔に久しぶりの笑顔が戻る。そのようすを遠巻きに見ていたクラークにミハイルが言った。
ミハイル「彼女に惚れてるだろう」
クラーク「えっ!?」
ミハイル「好きならなぜ自分のものにしようとしない?」
クラーク「なんだって!?彼女は弟の……!」
ミハイル「弟さんは死んだんだ。アイシャも悲しんでばかりいてはいけない彼女には頼れる人が必要なんだ。」
クラーク「……」
ミハイル「男一匹一国の王女をものにしてみちゃどうだ?」
クラーク「わたしが……」
ミハイル「そして彼女を幸せにしてやってくれ。」
クラーク「わかった…ありがとう。」
冠婚葬祭のうちの「祭」、本来は先祖をまつる儀式の事だが、この場合若い二人の門出の祭り。