ー日常ー街の住人達

ー池袋西口:駅近くー

拳二「ったく、アイツはなんなんだ。電話ひとつまともにできねぇのか」

崇「出来ると思っていたのか?」

拳二「……いや、そうでもなかったわ」

寅「電話まともにでれねぇって……ガキ以下だな」

崇「そういう男だ。それでも本人じゃなくて娘が出たのは運が良かったんじゃないか?本人だったら絶対に出てないぞ」

拳二「だな」

寅「アイツはもう脳に直接携帯打ちこんどけ」

崇「その技術が可能になったら俺が自腹で強制的に施術させてやる」

拳二「俺ぁも一役買うぜ」

寅「そういうレベルで連絡取れねぇのかアイツ……」

拳二「崇じゃねぇが……電話係を側に付けとくべきだな」

崇「くくっ」

寅「アホらしい。それより結局どうするんだ?」

拳二「適当に飲み食いしてて随時連絡いれていきゃいいだろ」

寅「……まぁ、タダで飲み食いできるなら良いけどよ」

拳二「なんだぁ?お前だってそこそこ稼いでるだろ。俺ぁキッチリしてる男だから7:3で金は渡してるし」

崇「お前は金にはがめつくないと思ってたが……がめついな。」

寅「まぁ、俺の目的は金より強敵との死合だったからな。」

拳二「だろぉ。かっかっか。」

寅「だが……」

拳二「あん?」

寅「今は少々身入りでなやるんなら金の方も融通してくれ」

拳二「あん?」

寅「あぁ、今……」

崇「大江戸学園では物価高らしい。」

寅「なっ…」

拳二「ほぉ……がくえんがぁ物価高。妙な話しだなぁ。」

崇「あそこはもう一国だからな」

寅「ちょっと」

崇「日本の重鎮を担うようなのも……」

寅「ちょっと待て」

崇「ん?」

寅「なんでお前が内情を知ってる?」

崇「……」

拳二「そんなもん、悠に聞いたんだろ」

寅「電話にも出ないあんな奴がそんな細かい内情を話すわけ無いだろ……そうなると……お前、子飼いにしているのが居るのか?大江戸学園にまで」

崇「くくっ。子飼いだなんて……ただ情報を定期的に仕入れているだけだ」

寅「この男……恐ろしいな」

拳二「かっかっか、崇は怖ぇぞ。」

崇「むしろ、こんなちょうど良い男がいるのに情報を仕入れないお前の神経のずぶとさが怖い」

拳二「俺ぁ、別にあっちの事には興味がねぇからな。情報もいらんのだ」

寅「アンタの店があるのに随分んな言い方だな」

拳二「俺ぁの店じゃなくて、俺ぁが貸してる悠の店だ。」

寅「……」

崇「気にするな。そいつも大概気まぐれで適当な奴なんだ」

寅「……アンタ、どこまで食い込んでる?」

崇「そうだな……。徳田新の正体くらいは知ってるかな」

寅「徳田……?悠の用心棒の正体ってなんだ?」

崇「くくっ。」

拳二「おい、とりあえずどっか店はいるぞ店。立ちんぼでくっちゃべってられるほど俺ぁ若くねぇんだよ」

寅「おっさん」

崇「おっさんだな」

拳二「うるせぇよ!」
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