ー日常ー街の住人達【7】
ー東京広尾:ビストロ温泉ー
ビストロ温泉、今日は珍しく臨時休業です。
働き詰めでおマリもお熊もへばってしまったからです。
マリア「お熊さぁ~ん」
お熊「なあにおマリちゃん」
マリアもお熊もソファに倒れ込んで間延びした声を出す。
マリア「いくらお金のためでも年中無休というのは考え直しませんか~他にスタッフが要れば代わりばんこで休めますが私たちは二人きりですからね。これじゃ身体がもちません~~」
お熊「そうねぇ。体力には自身のあるあたしがこんなにバテるんだもの子供のマリアちゃんにはさぞ辛いでしょうね。これからは月に一度くらい定休日をもうけましょうか」
マリア「それでも月一ですかまあ全然休めないよりはマシですが。」
お熊「う~~ん……よし!そうと決まったら今日は骨休めよ一日中なにもしないわよ。お昼は出前を取りましょう。」
マリア「いいですね。私もたまには人が作ったものを食べたいです。」
お熊「なんにする?ピザ?お寿司?」
お熊が電話帳を適当にめくっていると、マリアが一枚のチラシを差し出した。
マリア「新しいお店はどうです」
お熊「え?」
マリア「近所に宅配専門の和食のお店ができたんです。こないだチラシが入ってました。」
お熊「ふうん、いろいろあるのね。えーと強風懐石……えっ?京風じゃなくて強風?」
マリア「新しい和食を目指してるみたいです。」
お熊「棺おけ弁当、手おけ弁当なら聞いたことあるけど。消化堂弁当、スキヤカズ弁当、ブリの寺焼き御前、ルクセンブルク風和定食、犬巻弁当、居直り寿司、なめこ降ろしそば、賭けそば、サ抜きウドンにテポウドン……なんだかわからないものばかりだけど、食べられるのかしら。」
マリア「繁盛してるそうですよ。」
お熊「あたしは名前からないようがだいたい想像できる品にするわ。毛ガニそば……お蕎麦の上に毛ガニが乗ってるんでしょうね。毛が二本じゃないでしょうね!」
マリア「毛を毛(もう)と読んで毛沢東がふたりとか」
お熊「写真でものってるのかしら」
マリア「なにが届くかわからないドキドキ感が受けているのかもしれませんね。」
お熊「何が悲しくて食事のたびにドキドキしなきゃいけないのよ。」
マリア「私は名前からしてあっさりしてそうな細魚丼(さよりどん)。えーと和食宅配専門店「銀座の鯉の物語」の番号は××××の××××」
お熊「こないだみたいに電話番号まちがえないでね。」
マリア「失敬な同じドジはやらかしませんよ。」
ビストロ温泉、今日は珍しく臨時休業です。
働き詰めでおマリもお熊もへばってしまったからです。
マリア「お熊さぁ~ん」
お熊「なあにおマリちゃん」
マリアもお熊もソファに倒れ込んで間延びした声を出す。
マリア「いくらお金のためでも年中無休というのは考え直しませんか~他にスタッフが要れば代わりばんこで休めますが私たちは二人きりですからね。これじゃ身体がもちません~~」
お熊「そうねぇ。体力には自身のあるあたしがこんなにバテるんだもの子供のマリアちゃんにはさぞ辛いでしょうね。これからは月に一度くらい定休日をもうけましょうか」
マリア「それでも月一ですかまあ全然休めないよりはマシですが。」
お熊「う~~ん……よし!そうと決まったら今日は骨休めよ一日中なにもしないわよ。お昼は出前を取りましょう。」
マリア「いいですね。私もたまには人が作ったものを食べたいです。」
お熊「なんにする?ピザ?お寿司?」
お熊が電話帳を適当にめくっていると、マリアが一枚のチラシを差し出した。
マリア「新しいお店はどうです」
お熊「え?」
マリア「近所に宅配専門の和食のお店ができたんです。こないだチラシが入ってました。」
お熊「ふうん、いろいろあるのね。えーと強風懐石……えっ?京風じゃなくて強風?」
マリア「新しい和食を目指してるみたいです。」
お熊「棺おけ弁当、手おけ弁当なら聞いたことあるけど。消化堂弁当、スキヤカズ弁当、ブリの寺焼き御前、ルクセンブルク風和定食、犬巻弁当、居直り寿司、なめこ降ろしそば、賭けそば、サ抜きウドンにテポウドン……なんだかわからないものばかりだけど、食べられるのかしら。」
マリア「繁盛してるそうですよ。」
お熊「あたしは名前からないようがだいたい想像できる品にするわ。毛ガニそば……お蕎麦の上に毛ガニが乗ってるんでしょうね。毛が二本じゃないでしょうね!」
マリア「毛を毛(もう)と読んで毛沢東がふたりとか」
お熊「写真でものってるのかしら」
マリア「なにが届くかわからないドキドキ感が受けているのかもしれませんね。」
お熊「何が悲しくて食事のたびにドキドキしなきゃいけないのよ。」
マリア「私は名前からしてあっさりしてそうな細魚丼(さよりどん)。えーと和食宅配専門店「銀座の鯉の物語」の番号は××××の××××」
お熊「こないだみたいに電話番号まちがえないでね。」
マリア「失敬な同じドジはやらかしませんよ。」