ー日常ー街の住人達【7】

ー大英博物館:トイレー

チコ「装置とこれに使う小麦粉……あれ?」

ミハイル「どうした!?」

チコ「小麦粉のつもりが間違えてお塩をもってきちゃってます。」

ミハイル「細かい粒なら何でもいいんだ。それよりしっかりとメーターを見てろ。」

ホースから流れ出る水がダミー老婆人形の中にたまっていき中に設置されているメーターが一定の数字になると……。

チコ「オーケーです!」

ミハイル「うむ。」

チコ「ぴったり殿下と装置の重量分の水が入りました。」

ミハイル「よし、お前たちはすぐ退却しろ。僕は閉館時間までここに隠れてる。」

チコ「退屈だからってとなりを覗いたりしちゃいけませんよ。」

ミハイル「早く行け!!」

ダミー老婆人形を元通りに組み直しチコは外に出た。

「おばあちゃんが急に気分が悪くなったんだって」

「なんだってそりゃいけない!すぐ帰ろう!」

こうしてムーンとチコは退却、ミハイルは閉館時間になるまでトイレに隠れて時間まで「人を陥れる法」を読みふけることにした。


そして夜も更け、トイレの明かりも消えて人の気配もなくなったのを見計らい。暗視ゴーグルを装着してレッドスターの展示されている場所まで移動した。

バラしていた機材を組み立てた。作りは至ってシンプル小型のアームとチューブが並んでいる一風変わったUSOキャッチャーのような作りだ。それに小麦粉をセットしてスイッチを入れる。

レッドスターをごくわずかずつ持ち上げながら同じ重さの塩を落としていく。見かけは雑だが、性能はバツグンの装置だ。機械を信用するものは機械に裏切られる博物館の連中には良い教訓だ。

そうしている内にレッドスターは持ちあがりミハイルは念願のレッドスターを手に取り返したのだ。

そしてさっさと機材を再びバラして脱出しようとしたがピタリと足が止まった。

ミハイル「いや、ちょっと待てよ。せっかくここまで来たんだから、他の金目の物もいただいていこうか、いやしかし他の奴にも警報装置がとりつけてあるかもしれんなどんな種類の装置か調べてないし…………あ~宝の山を目の前にしながら手を出せないとは何たることだ!このまま帰ろうかなーそれにしてももったいないなー。」

といって三時間ばかり悩んでいたミハイルでしたが……結局危険のない所でトイレットペーパーや灰皿を盗んで帰ることにしました。
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