ー日常ー街の住人達【7】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

ムーン1「珍しく殿下が真剣になっているぞ」

ムーン2「いざとなると国王の自覚が出てくるんだな」

チコ「少し見直しましたよ。」

ムーンたちが大英博物館のことを調べるために散った後……。ミハイルはひとりふうっとため息をついた。

ミハイル「……危なかった。」

そうあれはちょうど三年前、陸軍が新しい地対空ミサイルを開発したので見に来てほしいといわれたとき……。

太陽の光を反射して鋭く銀色に輝く流線型のミサイル群。

陸軍『あちらが新型ミサイルです』

ミハイル『どうもおまえら軍人は美的感覚に乏しいな。もっと麗しい形に作り直せ。』

そして作り直したのちの形はミサイルの先端がミハイルの顔の形になっていた。

僕もたった七歳だったからなぁ。
若気の至りでやらせてしまったが結局内閣に黙って作り直させたものだから。

陸軍『殿下、どうしましょう改造の費用がかさんで軍事予算を大幅に超過してしまいました。

ミハイル『そのココロは?』

陸軍『内閣に報告書を出さなくてはなりません。』

ミハイル『ちょっと待て。どのくらい超過したんだ?』

陸軍『これくらいです。』

差し出された書類に見るを通す。

ミハイル『!?(やばい!僕の気まぐれで数百万エメラダを余計に使わせたことがバレたら大臣たちにおしりペンペンされてしまう!)』

唐突ですがエメラダの通貨単位はやはりエメラダです。一エメラダは一ドルくらい。

更に余談ですがエメラダの下の通貨単位はラメエダです。百ラメエダが一エメラダで一ラメエダはおよそ一セント。

さらに蛇足ですがラメエダの下の通貨単位がラエメダで百ラエメダが一ラメエダで百エメラダは一ダメラエとなります。さらに百ダメラエは一ラエメダ、百ラメエダは一メエダラ、百メエラダは一ラエメダ。

水鼠【さあ一ダメラエはいくらでしょう!】

ミハイル「えっ!?わーっ!えーっとうーんとえーーっと!一ラメエダ!」

水鼠【バカですねーアホですねー一
ラメエダは一ラメエダに決まってますねー】

ガッ!ドゴッ!グチャッ!
ズバッ!ズドドッ!ガィン!ザクッ!斬ッ!

水鼠【ぎゃーーっ!って自分の国の通貨単位もわからん無能な国王に虐待されるいわれはないっ!!】

ミハイル「一ダメラエは何エメラダだ?」

水鼠【えーっと、さっきのメモ!さっきのメモっ!!】

ズドンッ!びちゃっ……。

ミハイル「思えば僕も7さいだったからバカな真似をしてしまった。大幅に超過した予算をなんとかして穴埋めしなくてはならなくて結局誰でもやりそうなことをやってしまったのだ。そう国宝を盗んで売り飛ばした。若き日のわずかな過ちのツケが今頃回ってこようとは……なんで今頃あのレッドスターが出てくるんだ。裁判になって販売経路の調査でもされてみろ僕が売り飛ばしたことがばれてしまうじゃないか。盗み出すとかなんとか口から出まかせを言ったがムーンたちは本気にしてるだろうなぁ。」
51/100ページ
スキ