ー日常ー街の住人達【7】
ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー
蒼天快晴の良い天気。常春の国に住んでいてありがたいのはいつも気候が一定して清々しいことだともいながらミハイルは散歩をしていた。
すると、足元に何かが落ちているのに気がついた。拾い上げてみると、なんと大きな牛肉の塊ではないか。
調理番が買い物の帰りに落としたなと思い……。
ミハイル「しめた、しめたよ、しめこのウサギ。さっそくいただきましょう!最近のムーンたちは僕の身体のためだとかいって一日に一万八千カロリー(※)しかとらせてくれない。僕は育ち盛りなのだ。このままでは飢え死にしてしまう。さあ、焼けてきた、いいにおいだ。いただきまっ……」
※:通常人の約六倍です。
「殿下っ!!」
ミハイル「ハッ!?」
大きな声に身体を起こすとそこは宮殿の中でソファーの上、どうやら今までのことは夢だったようだ。
ムーン1「昼寝なんかしてる場合じゃありません!この記事を見てください!」
ミハイル「馬鹿もん!なぜあと一分遅く起こさなかっ!」
ムーン1「ええっ?!」
いきなり怒鳴り返され狼狽する。
ミハイル「ああっ、こんなことなら生のまま食べるんだった!!」
ムーン1「なんなんだ」
チコ「どうせまたいやしい夢でも見たんでしょう。それどころじゃありませんよ。」
ミハイル「どうしたというんだ!食べる楽しみを邪魔しおってつまらんことだったらお前らの肉を食ってやる。」
チコ「本気で怖い」
ムーン1「とりあえずこれを見てください!」
渡された雑誌には色とりどりの宝石の写真と何やかんや解説などが書いてある。
ミハイル「趣味の宝石?この本がどう…………えっ!?レッレッレッレッドスター!?」
ムーン1「そうなんです!3年前王宮の展示室から盗み出されて行方が分からなくなっていたレッドスターがあらわれたんです!」
【レッドスター】
エメラダが誇る大粒のダイヤモンドのひとつ。一八二・四四カラットで品質は最高級。
これだけでもたてしたものだが、この石は光のかげんによって中央に赤い星が見える。
ムーン1「そのレッドスターがチューリッヒのオークションに売り出されたんです。」
チコ「調べてみたら競り落としたのはロンドンの大英博物館。少しカットが変わってますがレッドスターに間違いありません。」
ミハイルは雑誌の一面を飾っているレッドスターの写真を見た。
ミハイル「なるほど。重量は犠牲にしても切子面の多いカットにして輝きを引きだしたわけだ。」
蒼天快晴の良い天気。常春の国に住んでいてありがたいのはいつも気候が一定して清々しいことだともいながらミハイルは散歩をしていた。
すると、足元に何かが落ちているのに気がついた。拾い上げてみると、なんと大きな牛肉の塊ではないか。
調理番が買い物の帰りに落としたなと思い……。
ミハイル「しめた、しめたよ、しめこのウサギ。さっそくいただきましょう!最近のムーンたちは僕の身体のためだとかいって一日に一万八千カロリー(※)しかとらせてくれない。僕は育ち盛りなのだ。このままでは飢え死にしてしまう。さあ、焼けてきた、いいにおいだ。いただきまっ……」
※:通常人の約六倍です。
「殿下っ!!」
ミハイル「ハッ!?」
大きな声に身体を起こすとそこは宮殿の中でソファーの上、どうやら今までのことは夢だったようだ。
ムーン1「昼寝なんかしてる場合じゃありません!この記事を見てください!」
ミハイル「馬鹿もん!なぜあと一分遅く起こさなかっ!」
ムーン1「ええっ?!」
いきなり怒鳴り返され狼狽する。
ミハイル「ああっ、こんなことなら生のまま食べるんだった!!」
ムーン1「なんなんだ」
チコ「どうせまたいやしい夢でも見たんでしょう。それどころじゃありませんよ。」
ミハイル「どうしたというんだ!食べる楽しみを邪魔しおってつまらんことだったらお前らの肉を食ってやる。」
チコ「本気で怖い」
ムーン1「とりあえずこれを見てください!」
渡された雑誌には色とりどりの宝石の写真と何やかんや解説などが書いてある。
ミハイル「趣味の宝石?この本がどう…………えっ!?レッレッレッレッドスター!?」
ムーン1「そうなんです!3年前王宮の展示室から盗み出されて行方が分からなくなっていたレッドスターがあらわれたんです!」
【レッドスター】
エメラダが誇る大粒のダイヤモンドのひとつ。一八二・四四カラットで品質は最高級。
これだけでもたてしたものだが、この石は光のかげんによって中央に赤い星が見える。
ムーン1「そのレッドスターがチューリッヒのオークションに売り出されたんです。」
チコ「調べてみたら競り落としたのはロンドンの大英博物館。少しカットが変わってますがレッドスターに間違いありません。」
ミハイルは雑誌の一面を飾っているレッドスターの写真を見た。
ミハイル「なるほど。重量は犠牲にしても切子面の多いカットにして輝きを引きだしたわけだ。」